いきみたい感じになってきた頃には、助産師さんがベッドの横でおしりを押さえてくれていた。

私は横向きで、ベッドの柵にもたれて、助産師さんの腕も掴みながら必死に耐える。


18時半はすぎていたと思う。


テニスボール持ってこようか?!とも聞かれた気がするけど、そんなのどうでもよくて、押さえられれば押さえられるほど、おしりは中からグイグイ押される感じが強くなってきた。おそらく、これは急に分娩が進んだ、ということなのだろう。


大丈夫大丈夫、吸ってー!吐いてー!とかも声をかけてくれていたように思うが、とにかく必死。

おしりを押えられているということはまだ出してはダメなのかと思ったが、流石にそれも辛くなり、

何か出そう!!(叫)いきんじゃダメですか?!?!と私。


すると助産師さんから、いきんでもいいよ!と返ってきた。


本当にお腹がカチカチで痛くて、お尻からなにか出そうな感覚があったので、その回答を聞いて、いきんでみた。


すると、


パシャーッ!!


思いっきり破水した。

生ぬるい液体がお股から流れる出る感覚。

膣剤を入れてからは、出血のため大きいオムツのようなものをしていたが、それも超えてベッドにも溢れていたと思う。

防水シートは敷いてあったが、その後どうなったか記憶が無い。


ただ、破水をしたら陣痛の痛みは収まった気がした。


先生、破水しました!って助産師さんが慌てた。

その時は、夜勤の助産師さんの他にも、朝や日中担当してくれた助産師さんも何人か立ち会ってくれていた。


先生は、主治医の女医さん。


もう痛くないでしょ?!仰向けになれる?


仰向けになると、先生が内診というか、お股に手を入れてきた。

いきんでと言われたような気がするけど、手を入れられて痛くて、上に仰け反ってしまった。


そしたら、だめ、上に逃げないでこっちに向かって力を入れて、と言われた。


左側に夜勤の助産師さん、右側に日勤の助産師さんがついててくれて、すがるような思いで腕を掴んでいたように思う。


あー!とか声を出しながらいきむと、先生がドゥルンと中から何かを引き出した気がした。


すると助産師さんが時計を見て時間を告げる。18時56分!


赤ちゃんだ。赤ちゃんの姿は角度的に見えなかったけど、先生がしばらくへその緒を器具で押さえているのはわかった。


その時思った。へその緒を切るのではなく押さえるのは、胎盤と繋がっている流れを遮断して、赤ちゃんの心臓を止めるためだよね、と。。

悲しい。悲しすぎる。これが中絶なのか。


でもまだ胎盤が残っているからそれを出さなくてはいけない。


先生がお腹を押さえながら、軽くいきむよう指示されたので、その指示に従う。

すると2分後の18時58分、胎盤も出てきてくれた。


胎盤が出たところで、赤ちゃんは助産師さんに連れられて行った。

対面は、赤ちゃんを綺麗にしてからね、という話になっていたので、一目も見ていないけれど、産まれたばかりの赤ちゃんも見せてもらえばよかったかなって今になって思う。