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東武伊勢崎線沿いに建つ大衆食堂や居酒屋に、

今日も猛暑を予感させる陽光が降り注いでいる。

瓦屋根に反射する光の放列が弾けて、

飛んだ先は合宿所の庭先。

綺麗に刈り込まれた垣根から

丸い松が両端で対になって植わっている。

七時の時報が談話室に響く。

公園

公園に緑のにおいが

住民の快活な息づかいが

まがまがしい車が黒い影に消える

太陽の衣を着た人々

おしゃれしたお母さんたち

甘い音をたてる噴水

おばあちゃんに寄り添う子供

みんながみんな美しい

みんなはみんな美しい

でも素直にそう言ったら

信じないだろう

残像

騙された

男は女物の下着をつけて

カーテンのすぐそばで泣いた

一晩中泣いて

むかしのことを思い出して

また泣いた

眼球の奥底で水滴が弾けて

男はまるまんま

干からびた

家族も街も工場も

国も鳥もライオンも

きちんと働いて

時間がきれいに

流れていった

男の残像だけが

路地裏にかすんだ