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キリギリスのしあわせ
トーン・テレヘン
2017年に本屋大賞の
翻訳小説部門の1位に選ばれた
『ハリネズミの願い』
の作者の2021年に翻訳出版された作品です
ネタバレありです
森のはずれの店のオーナー
働き者のキリギリス
店では太陽と月と星以外
何でも売っている
ものだけでなく
〈時間〉〈あきらめ〉
〈スピーチ〉〈単純〉
なんて概念も
キリギリスは
何でも売っている店
を守ろうと懸命だ
何でも売っているだけでなく
何時でも接客できる
ために夜中でもベルが鳴れば
接客する
ハリ以外のものを纏いたい
ハリネズミのような
微笑ましい注文もあるけれど
無理難題を言ったり
店を破壊しようとする
動物もいる
それでもキリギリスは
全ての注文に完璧に応じようと
全力を尽くす
時には注文通りの品物を渡して
相手や周囲が困ることもある
永遠になくならないケーキを
買ったくいしんぼうのクマは
・・・・・
全ての足の靴を
1つずつ選びたい
ムカデが自分の前のお客だったら・・・
キリギリスは
何でも売っている店を
維持することに
疑問が浮かぶけれど
「それは売っていないよ」
と言った時の
動物達の反応が浮かんで
また次の日も店を開ける
次第にキリギリスは
病んでくる
悲しみがあふれてくる
なんで悲しいのだろう?
なんでも売っているのに
ほんとうは
なんでも売っていたくない
のかもしれない
売っていないものが
ある方がいいのかもしれない
でも拒絶したり
イヤな態度を取ったらどうなるのか?
こわくなる
心の中では
僕は
親切なんかじゃない!
って叫ぶことが出来るのに
最終章
嵐で動物たちが来ないと思い
初めて自分が自分の店の
お客様になってみる
キレイな服を何着も試して
お茶を飲んだり
踊ってみる
その後のキリギリスと
お店がどうなったのかは
書かれていません
周りの期待と重荷
途中で読み進めるのが
苦しくなりました
誰よりも優しくて
親切なキリギリス
期待に応えようと
奮闘しているのに
これはさすがに
無いでしょう?と試されたり
真面目な努力を
揶揄されることもある
親の期待に応えられず
ガッカリされ
傷付いた経験のある私なのに
でも子どもには期待と言う名の
重荷を背負わせていた
かもしれません
私の親の評価は
もう手放していい年齢だ
子どもの力を試すようなことは
もうやめよう
苦しいときは
Noを言うのもOK
時には
自分で自分をもてなして
楽しい気分で過ごして
行きたいな