nabisonyoです。

当ブログにお越しいただきありがとうございます。

こちらは『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』の二次小説を書かせていただいています。ドラマのイメージを壊すとご不快の方はこちらでご遠慮ください。お許しいただける方は少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。

 

今回からしばらく『僕が君を思い出すまで』の番外編。ソルファのお話です。

最初は時間が前後して分かりにくいかも?宜しくお願い致します<(_ _)>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2020年5月中旬

 

地下鉄の駅で電車に乗り、空いている席に座りイヤホンを耳にはめ音楽を流そうとボタンを押した時、急に思い出した。

 

あれは一年前の3月。

高校を卒業し、大学へ行くことも就職をすることもできずにアルバイトを掛け持ちして暮らしていた。家はあるけど中学生くらいから両親が揃っていないことがほとんどで。家に帰って来るとしても遅い時間だった。だから『おかえり』と返って来る言葉なんて聞いたこともない。淋しくないと言えばウソだけど、今まで味わったことのない、友達から聞いた話やテレビの中だけにある‟家族の団欒”だから、自分の家のそれが変だとも思っていなかった。

 

珍しく明かりの付いた家に入ると両親が揃っていて私に顔を向ける。こんなこといつぶりだっただろうと思ったけど頭では分かっていた。これが最後になることを。

 

「私たち離婚することにしたから。あんたもこの家から出てって」

 

淡々と言う両親に『あぁ、やっぱり』とだけ思い、私が高校を卒業するまで待っていたのだろうと思うと、一応子供のことを気に掛けてくれていたのだと反論する気力もなくて荷物をまとめた。少しだけ貯まったお金を持ち、少ない荷物をバッグに詰め込み、まだ夜は寒い季節の中をデニムと汚れたスニーカーで住み慣れた家を出た。

 

道を歩く私と通り過ぎるのは、キラキラとした笑顔の新しい人生を歩き始めた人たち。私とは違う人生を送る人たち。そんな人たちと何人もすれ違ってヤサグレた気持ちで歩いているとウィンドウに飾られている服が目に付いた。

いつもは少しでも良い子でいようとキチンとした格好でいたけど、MA-1とショートパンツを買い、お店の人に塗ってもらった真っ赤な口紅。手持ちのお金が減るのは痛いけど、今は自分じゃない誰かになりたかった。

 

空を見上げるとお月様。

何だか頼りなさそうな細さが私の気持ちとリンクしているよう。自分の弱さを見たくなくてMA-1のポケットに手を入れて下を向き、当てもなく夜のソウルを歩いていると突然腕を引っ張られた。

 

「お前は何でこんな時間にこんな場所でこんな格好をしてるんだ!」

 

怒鳴り声に驚いて顔を上げると真剣に怒った男の顔が目の前にあった。両親は私に無関心だったから、誰かにこんな風に怒られたことはない上に、全く知らない人に怒鳴られて怖くて逃げ腰になる。腕を捩り何とか逃れようとしてもしっかりと握られた腕はそれができない。

 

「離してよ!何なの急に!やめてってば!」

 

私がいくら言っても聞いてくれないその大男は腕を放してくれなくて、そうこうしているうちにもう一人目つきの悪い男が寄って来た。

 

「おい、どうしたんだ。急に」

 

「ヨ兄上!こんな時間にこんな格好でこんな場所にいるんですよ!注意して当然でしょう!」

 

「知り合いなのか?でも……コイツ、大学生くらいじゃないか?そんなこともあるだろ?」

 

「知り合いじゃないわよ!あんた、どうにかしてよ!コイツと知り合いなんでしょ?」

 

「……口の利き方を知らないガキだな。だが、お前……どこかで見たような」

 

その大男は目つきの悪い男に向けてボソボソと耳打ちをし、ヤバいことになると思った。どこかに連れて行かれて売られるとか。ドラマの世界がホントに自分に起こるかと思った。だけどそこからは想像したものとは全然違う未来が私に待っていた。

 

 

 

3月から始まった大学生活。行ってみたかった大学に一年遅れて通うことができて嬉しくて、選んだ学部のせいか同い年の子も年上の子もいて、あまり年齢を気にせず友達ができた。

二コマ目の授業を終えて携帯を確認すると午後の授業が休講になったと案内が入っていた。今日はもう、休講案内が来た授業を受けるだけの予定だったから友達にランチを誘われたけど何となく一人でいたくて、ブラブラして。夕方になりようやく地下鉄に乗った。そして思い出したあの時のこと。

 

「ただいま戻りました」

 

今日もしばらく玄関の前で立ち止まり、勢いをつけてからドアを開けた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1月12日はEXO D.O.の誕生日!

1月14日はEXO KAIの誕生日!

생일 축하해クラッカー

 

KAIは兵役中ですが、VRのライブがあるので視聴しようか悩み中…。

今年はコンサートが本当にあるかな?会場でD.O.にも会いたいです照れ

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村