nabisonyoです。
当ブログにお越しいただきありがとうございます。
こちらは『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』の二次小説を書かせていただいています。ドラマのイメージを壊すとご不快の方はこちらでご遠慮ください。お許しいただける方は少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。
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ストレプトカーパス : ささやきに耳を傾けて
あの後すぐにあいつを家まで送って行ったジュヒョクを追いかけるように実家を出て、ジュヒョクの一人暮らしをする家の前で帰りを待っていた。
「あれ?どうしたの、ジフ兄さん。僕の家に来るなんて珍しい」
そう言いつつ電子ロックを解錠して家に招き入れてくれた。男の一人暮らしのワンルームマンション。美意識の高いジュヒョクはシンプルだけどオシャレなインテリアで部屋をまとめている。小さなキッチンの冷蔵庫から缶ビールを取り出し渡され、有難く受け取った。
「……お前。あいつとは本当に何もないんだよな」
真っ直ぐに帰宅してきたジュヒョク。そして以前と変わらず女の存在を感じない部屋に内心ホッとするが、ジュヒョクへした質問でさっきは有難く受け取った缶ビールなのにプルタブをいじるだけで飲む気をなくした。
「あいつ?あぁ、ハジンですか?あれは唯一無二の親友です。ジフ兄さん。男女の友情が成立する良い例ですよ。だけど……」
嬉しそうに微笑んでいたジュヒョクが最後は顔を曇らせた。
「だけど?」
「しばらくここを離れるって言うんです。別に前向きな考えなら良いんです。離れても友情は変わらないから。でもあれは逃げているだけだ。また同じことを繰り返してる。きっと苦しんで。また、心を病んでしまう……」
『また』?
ジュヒョクの言葉に疑問が湧くが、それよりも驚きが勝った。
ジュヒョクが俺の前で一人静かに涙を流し始めたから。そしてその目が、今までのジュヒョクにはあり得ないほど俺を突き刺すように見つめた。
「兄上。また、あいつを行かせるんですか?また、あいつを失い死ぬまで苦しむんですか?」
「何……を、言って」
いつもの穏やかなジュヒョクとは違う、怒りと絶望を含んだような視線と言葉にプルタブをいじっていた俺の手も止まる。
「ヘ・スは兄上が思い出さなくても良いと言っています。ツラいことをわざわざ思い出さなくて良いと。ヘ・スのその気持ちは理解できる。だけど、兄上がヘ・スをまた突き放すことは別です」
「ヘ・スを……。ヘ・スであるハジンを、出会った時から愛してるでしょう?」
「ジュ……ヒョク。ヘ・スは……」
『誰だ』と聞く前に、俺の意識は真っ暗になった。
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EXO セフンがとうとう兵役に行っちゃいました。これでメンバー全員です。
完全体になるまで2年近くかかりますが、元気に戻って来るのを待っています!
ここまで読んでいただきありがとうございました。