nabisonyoです。
当ブログにお越しいただきありがとうございます。
こちらは『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』の二次小説を書かせていただいています。ドラマのイメージを壊すとご不快の方はこちらでご遠慮ください。お許しいただける方は少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。
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萩 : 思案
「でも……どうやって?」
素朴な疑問がわたしの口から出た。
「……」
皇太子様もヨ皇子様も黙ってしまい、梅酒を飲んでいた皇太子様のグラスの氷がカランッと動く音が居酒屋の個室に響いた。
太祖が高麗で危惧していたこと……。望んでいたこと……。
長子相続?皇太子様に継がせることを望んでいた。でも、ソ皇子様にも皇帝の星があることを知っていた。それなのに落ち着いていたのはソ皇子様が私利私欲に走る方じゃないことも理解していたから。……だったら、一番恐れていたことは身内争いが起こること?そしてユ皇后様や豪族が権力を握り、国がまた乱れること。つまり権力の私物化。
「今……」
「どうした?ハジンさん」
困った顔で聞いてくる皇太子様。その顔は途方に暮れているという感じ。わたしは二人に今の状況を確認したくて話を続けた。
「ご兄弟の社内での役割は?」
「どういうことだ?」
眉を寄せて聞いてくるヨ皇子様。
「恐らく、お父様は長子相続を一番に望んでいるわけじゃないと思います。一番は身内争い、そして会社の私物化。それが無いと分かれば最初は渋っていても納得していただけるかと」
「……ハジンさんは父の考えが分かるのか?」
「ジュヒョクのお父様だし。恐らく……という感じです」
「お前……ホントにどれだけジュヒョクから俺らの話を聞いてるんだ。良い度胸してるな」
呆れたように言うヨ皇子様をせっついて、ワンフローリスト内での兄弟の役割を聞き出した。
皇太子様は専務、ヨ皇子様は営業部長、ウク皇子様は人事、ウォン皇子様は財務、ウン皇子様は営業、ということだった。
高麗での性格が今と全く同じというわけじゃないことも分かっている。時代も違う。だけど、予防というか。少しでも危険を避けることができ、太祖が納得して次代に譲れるなら、とは思った。
「……」
「どうした?何か気になるところがあるのか?」
「何となく……ですけど。ハヌルさんは財務、ソヌさんは人事か広報。ベクさんは……企画担当とかパソコンが得意なら時間の融通をきかせてあげてSEやホームページ担当がいいかな?」
「それは、なぜ?ハヌルもソヌも今の部署でキチンと働いているよ」
「わたしの思うハヌルさんは根回しや堅実さがある気がします。財政的なことは堅実さが必要だから……。ソヌさんはハヌルさんより人の動きをよく見ているので採用とか広報とかの対外的なことが向いてそう。ベクさんは、自分のやりたくないことには腰が重そう。だけど気に入ればとことん突き詰めるって感じがして」
「お前、どれだけ俺たちのことをジュヒョクから聞いてるんだ?」
「アハハッ。でも実際のことはみなさんで考えてくださいよ。会社の内情もあるし。じゃあ!ここからは飲み会で!サノさんもジョンヒョンさんもお酒ないですよ。頼みましょ」
ヨ皇子様が呆れた顔をして聞いてくるのを笑って誤魔化した。