nabisonyoです。

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『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』のその後の二次小説を書かせてもらっています。

ドラマのイメージを壊すとご不快に思われる方はこちらでご遠慮ください。

お許しいただける方は私の拙い文章ですが楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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俺の告白を聞いた後、彼女の顔が凍り付くのが良く分かった。まだ亡くなった人を忘れられず、断られるだろうと伝える前から解っていた。そして彼女はその通りに断る言葉を俺に伝えてきた。

 

 

そう、解ってはいた……。

 

 

彼女の手を離し、ゆっくりと顔を反らし俯いた。

 

「東皋春草色 惆悵掩柴扉」

 

 

亡くなった彼が忘れられず、新しい人生を踏み出すのを自分から拒んでいるように彼女を感じ、思わず王維の漢詩が口をついた。だけど、すぐに自分が発した言葉に違和感を覚えた。

 

 

漢詩なんて読む習慣もなければ、ほとんど口にしたこともない。本当に俺が言ったのか?

 

 

自分に対して戸惑いを感じる。その疑問を吹き飛ばすように彼女が言う。

 

「……我慢はしていません。彼に悪いと思って無理に恋をしないつもりもありません」

 

まさか返事が返ってくるとは思っていなかった俺は驚いて彼女を見た。そして彼女は続けて言った。

 

亡くなった彼は俺と外見がそっくりだということ。彼と俺を重ねてしまいそうな自分が嫌だということ。このままだと俺を傷つけるのではないかということ。

 

 

俺とそっくりな人を愛し、その人は亡くなった。彼女の戸惑い、俺を避けようとする気持ちも分かる気がする。彼の代わりにされないように今までの俺ならそこで引き下がったと思う。

 

だけど……彼女のことだけは絶対に手放してはいけないというように、心の奥底から警鐘がガンガンと鳴って俺を行動に移させる。

 

「彼のことは忘れなくていい。そのまま思い続けてもいい。彼と重ねたっていい。そのままのハジンさんでいいから」

 

「だから、行かないでくれ。……俺と一緒にいてくれ」

 

 

俺じゃない、俺と同じ姿の誰かを思っていてもいい。どうしても彼女を手離したくなかった。

 

 

そしてそれまでと同じように……。いや、彼女は少しぎこちなくだが、メールのやり取りや食事、公園での散歩を二人で始めた。

 

 

 

 

 

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