青の奇跡-エピソード7- | 初代スマブラ名人の居間

初代スマブラ名人の居間

初代スマブラ名人の及川です。

ここではスマブラだけでなくゲームの楽しさを皆さんと共有していけるようにを想いを書いていこうと思います。ゲームに興味がある方に少しでも楽しんでいただく為に始めました。

ザァァァァッ!!

―朝から大雨だった。

昨日のカンカン照りが嘘のようだ。

この雨といい、昨日の事といい何だか気分は滅入るばかりだ。
結局、あの後、みーは公園に戻ってくることはなかった。

そしてシトシトと雨が降り始め、家に帰る他なくなったワケで。
雨は止むどころか天候は悪化する一方。
俺の心も雨模様ってか。
何より、このまま雨が降り続けるんじゃないか。
そして同時に彼女も二度と目の前には現れない、そんな気がした。

チャララーララー♪
‥電話だ!みーか!?
慌てて電話に出るとそれはみーではなかった。

「おぉ、巧。起きてたか。
父さんだ、元気でやってるか?」

九州に単身赴任してる親父からだった。
「まぁ、ぼちぼちだな。」
「何だ、元気ないじゃないか?
まさか失恋したとかじゃないだろうな?はははっ」
「…」
「おい、図星か!?
父さんも昔は何度も失恋を味わったもんだ。
失恋は人を大きくする。お前も頑張るんだ。」
「勝手に話進めんなって!
‥べ、別にフられたワケじゃないよ。」
「じゃあ喧嘩でもしたのか?
お前は少々つっけんどんのトコがあるからな。
大方、相手のプライバシーに必要以上に踏み込んでしまったんじゃないか?」
「そうかもしれない‥。」

「反省しているのなら、
溝が深くならない内に謝れよ?
父さんにだって出来たんだ。頑張れ。
お前は私の自慢の息子なんだからな。」
「止せよ!照れくせー!」
「ははは。
いつもの巧に戻ったな。
そうだ、電話の用件なんだが
今度の日曜日、
父さん東京に帰ることになったから、
母さんにそう伝えておいてくれないか。」
「何だよ、直接、母さんに言えばいいのに。」
「まぁ、お前の声が聞きたかったというのもある。
悩める年頃でもあるしな。ははは!」
「‥ありがとな。」
「…照れくさいのはお前の方だ。
それじゃ、父さんはそろそろ仕事に戻るからな。」
「あぁ、分かった。」ピッ。
『反省してるなら謝れ』か。
着信履歴を探り、早速みーに電話を掛けた。

トゥルルルル。
トゥルルルルル。

出ない。

みーには
本当にもう会えないのだろうか。

(続く)