○眠い目をこすり、いざアルウィン、信州ダービーへ

4/30(土)はJFL信州ダービーを観に行くべく、松本へ行ってきました。

この信州ダービー、長野と松本の因縁を象徴する対決であり、「クラシコ」という映画にもなりました。
(私はこの「クラシコ」を観に行っています)

何でも長野と松本の因縁は明治期の松本筑摩庁舎が焼き討ちにあったことから始まるそうです。
もともと山ひとつ隔てた土地な上、長野は善光寺の寺前町、かたや松本は城下町という基質の違いがこういう因縁を生み出しているのでしょう。
それが時を経て、このようにサッカー、しかも今年からはJFLという形で繰り広げられるのです。

私は眠い目をこすりながら、早朝のスーパーあずさ1号で右に左に振り子車両で少し酔いながら一路松本へw

nabetti2116 気の向くままに

松本駅からはシャトルバスに揺られること約30分、アルウィンが目の前に姿を現しました。
松本城とこのアルウィン、もはや松本の二大要塞といってもいいでしょうw

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到着したのは10時半頃でしたが、相当な賑わいぶりです。
とてもJFLとは(ry

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バックスタントのほぼ中央に腰掛け、スタめしの「山雅山賊焼きカレー」(とは言っても唐揚げカレーみたいなものです)を頬ばりながら、松本山雅、長野、両チームの応援を見届けます。

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長野の応援もJFLではトップクラスだと思いますが、何よりもホームの松本山雅の応援、これがすごすぎます。
ゴール裏はもちろんのこと、メインスタンド、バックスタンドまで松本山雅の緑一色です。
こういう雰囲気を作り出すクラブ、スタジアムはJリーグでも指折り数えるほどではないかと思われます。

nabetti2116 気の向くままに

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長野県知事の声も裏返るほどの松本・長野両チームを気遣いを見せた挨拶(?)のあと、ついにJFL信州ダービーはキックオフとなりました。

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○風上に立つ長野が電光石火の攻撃で先制するも、松本山雅が終了間際に追いついた前半

強風吹きすさぶ中、前半開始早々から風上に立つ長野が攻め込み、なんとすぐさま先制点を取ります。
決めたのは#7の土橋宏由樹選手。
この選手、かつて松本山雅に所属したこともあり、このアルウィンでも手荒いブーイングを受けていました。
そんな彼だからこそ、この恩返し弾ともいう一撃を信州ダービで決めたので、感慨もひとしおだったことでしょう。

一方で悔しがる松本山雅の選手たちと沈黙するスタンド…
長野のライバルとして、JFLの1年先輩としてこのまま黙ってはいられないはずです。

この後も長野が追い風を利用して松本山雅ゴールを再三脅かしますが、今年マリノスから移籍した松田選手を軸とした守備陣を前にゴールを揺らすことができません。

松本山雅も木島兄弟のスピードを活用して長野ゴールに攻め立てます。
しかし長野の死守もあってこちらもなかなか得点できません。
(なりふり構わずゴールを目指す木島兄の相変わらずぶりを見て妙に安心しました。熱くなり過ぎてカードをもらう点もw)

そんな長野の猛攻と向かい風に苦しみながらも、前半のロスタイム、松本山雅は#6今井選手のシュートで同点に追いつきます。

1ー1の同点で前半終了。
松本山雅にとっては大きな1点、逆に長野にとっては守りきれなかった1点と言ってもいいでしょう。
(事実、この1点が劇的な幕引きの伏線となったと言ってもいいでしょう)

nabetti2116 気の向くままに

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○後半、逆に風上に立った松本山雅が積極的に攻めこむのに対して、攻撃を防御とする長野

後半は逆に風上に立った松本山雅が積極的に攻め立てます。
対する長野も松本山雅の猛攻と向かい風に負けじとボールを奪ってはチャンスを作ります。

そんな一進一退、譲らない展開で、アルウィンは風が強くなるばかりではなく、雨も横殴りに降り注ぎます。
だがそんなものは選手はもちろん、サポーターにはお構いなし。
スタンドからの声援はさらに大きなものとなり、熱戦をさらに熱くします。

そんな情熱的な信州ダービーもあっという間にロスタイムとなります。
そして劇的瞬間が訪れたのです。

nabetti2116 気の向くままに

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○ロスタイム、気持ちでもぎ取った松本山雅の勝ち越し弾、そしてアルウィンがひとつになった瞬間

ロスタイムは2分、松本山雅はなおも攻め続けます。
その執念・底力が実を結んだのか、サポーターの強い一体感がそうさせたのか、ついに長野のゴールをこじ開けたのです。
決めたのは#13木島弟、二試合連続のゴールです。
(近くの観客は「彼は持っている」と言ってましたw)
選手たちの歓喜の輪が出来上がり、スタンドは長野サイド以外、この試合最大の盛り上がりを見せます。

そして松本山雅の今季のスローガン、「ONE SOUL」の大合唱とともに試合終了のホイッスル。
(この「ONE SOUL」の大合唱がアルウィンに響いた時は中立視点の私でも鳥肌が立ちました)

松本山雅FC2ー1AC長野パルセイロという結果となりました。

歓喜に沸く松本山雅の緑色のスタンド。
一方の長野ゴール裏、悔しさを噛み締める沈黙が漂っていました。

かくして11663人というJFLでは破格の数の観客(J2でもなかなか1万人超えは…)が見届けた最初の信州ダービーは終わりを告げたのでした。

nabetti2116 気の向くままに

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○明らかに成長した松本山雅、そしてJFLの台風の目になりそうな長野

まだJFLは2試合しか消化していませんが、松本山雅はこういう試合を勝利できるだけでも昨年と比べて成長している感じがします。
やはり松田選手や木島選手と言ったベテランや、Jリーグ所属選手を多数獲得しただけのことはあります。
スタジアム、観客動員数で一番Jリーグに近いクラブと言われることはあり、チーム力もそれなりに高めてきたんだなぁと実感しました。

一方のAC長野パルセイロ、地域リーグ時代からの攻撃を軸としたサッカーでJFLの1年先輩であり宿命のライバルの松本山雅を脅かしました。
開幕戦こそ爆発しました(ジェフリザーブズを4-0で圧倒)が、この試合ではゴールまでもう一歩という展開だったようです。
しかしながら、この長野の攻撃的サッカーはJFLで通用しつつあり、他チームにとっては脅威になりそうです。

この信州の二チーム、今シーズンは何かやってくれそうな予感がします。

そんなことを思いつつ、アルウィンを後にしたのでした。