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「環境の魔力」

環境の魔力は恐ろしい。
多くの時間は、思考停止または偏った思想、考え方を刻一刻と植えつけられる。
固有の環境は視野を少しずつ狭めていく。


ドラッカーがこんなことを書いている。
「肉体労働者の欲求と、
拡大する産業の役割との経済的対立が、
19世紀の発展しつつある国にとっての社会問題であったように、
知識労働者の地位と機能と自己実現が20世紀の発展した国に
とっての社会問題である。」
そして、「強みを行かす者は仕事と自己実現を両立させる」と。


知識の重要性や地位の高まりがある一方、何か変だ。
知識がある人が、凄いなとか、カッコ良いなと感じ取れないからである。
その理由は、多くの知識が、「間違っている」からである。
(トフラーの言うところの、「死知識」)


知識労働者として働くって、なんだろう。
競争に勝ち、「死知識」を駆使して、
他の会社より多く稼ぐことって何だろう。
何の疑問も持たずに、明日のために働くのは、一つの方法だと思う。
学生の頃から、多くの起業家、失敗した経営者、
上場して大金持ちになった経営者、
100億程度の資本家などと日々話してきており、
労働者として働くことには「大きな」抵抗がある。
そういった人たちが正しいかは分からないけど、
明日のためではなく、今日と明後日のために働きたいと思う。


働くと言うことは、一種流行、
ブームに乗るということでもあり、
本質を見失うことにも近しい。


就職ランキングでは、常に業績の良い会社が上に来る。
多くの学生の就職相談にのってきたが、
80%の学生はより儲かる仕事に就きたがることを目の当たりにしてきた。
ここ数年、繊維、鉄鋼、メーカー、商社、外資コンサル、
投資銀行と変遷してきているが、
それは人生を満喫する本質では決してない。


日本では戦後、朝9時に出勤し、
夜9時までより儲かる仕事でそれ相応の
クオリティで力を発揮するように教育されてきたとも言える。


ガルブレイズが新しい産業国家論「The new industrial state」にて、
経済発展において国家が主導的な役割を果たすと解いた。
そういう意味では、日本の教育戦略は、「王道」であり、「成功」してきた。


1965年、歴史的な出来事がおこった。
アメリカでは、ホワイトカラーとブルーからの比率が逆転した。
つまり労働とは、肉体を使う工業経済→知識経済、
頭脳経済へと大きく舵を切り替えたという事件だ。
国家主導から、また個人主導へと時代は大きく切り替わってきている。


*産業革命に伴う新しい富の体制
(アルビントフラー 富の未来 上下)
経済中心の考え、文化・宗教・芸術はすべて副次的な重要性しかもっておらず、
マルクスによれば、経済によって決定される。
第3の波では、知識の重要性が高まり、経済は大き
なシステムの一部という地位に戻り、
文化・宗教・倫理などが舞台の中央に戻ってくる」


(トフラーのいう「富」とは、
「どのような種類の富であっても、それを満たすもの」
「何らかの形で満足を与えるか、あるいは、
何らかの形で満足を与える形態の富と交換できるもの」と定義した。)


知識の重要性が増すことによって、
金銭の占める富の中での立ち位置の微妙な変化を感じ取ったものが
次なる時代を作る活躍者となる。


アメリカの就職ランクでは、Teach For America
などのNPO法人がトップ10入りを果たし始めている。
儲けを最大化ではなく、できることの最大化を目指す。
ハーバード卒業者も、
トップは一流企業→起業家→「社会起業家」へと変わり始めているらしい。
確実に、「伝える側」へと移行していっているのが分かる。


ドラッカーの経営者の条件の最後の言葉は、
「エセグゼクティブは成果をあげる能力を習得しなければならない」であった。
社会起業家条件は、
「創造性、起業家精神:×リーダー、経営だけではなく、
社会全体を変えるまで努力する。アイデアの社会的影響力
(他の人が、真似したいと思えるか)、道徳性」である。


ドラッカーの考えが、誤っているわけではないが、
新しい考えが、世の中に浸透してきていることに違いは無い。


多くの働く環境では、
新しい潮流を感じることが難しい。
全てを忘れて環境の魔力に流されないよう。
仕事に精一杯で、自分に手を懸けれない状況で生きるのではなく、
自分に精一杯という環境を作り出していきたい。
働くとは、伝えることであり、表現すること。
そのためには、環境に拘束され、邁進するのではなく、
自己鍛錬し、伝える側へと進んでいくため。
20世紀最後の四半世紀で私たちの生活を変えたものとして22日の日経に
(神代 教授)
変革期のビジネス・システム(企業間協働関係)について書かれている。
(連載)

消費財の分野では、
コンビニ、宅配便、引越しサービス、ビデオレンタル、惣菜、弁当など中食、文房具の通販、特化型デキスカウンター(カテゴリーキラー)、製版統合型アパレル(SPA)など、

生産財の分野では、
サプライテェーン、アウトソーシング、EMS(電子機器の受託製造サービス)、ファブレスなど

これらは、企業協業によって可能になった。とのこと。


隠れた資産
通常言われる、コンテンツ、ブランド、ノウハウに加え、
顧客関係資産、ポータル、アクセスポイント、事業ネットワーク資産。情報資産を活用し
*顧客ベースをニーズによって再セグメント化
*戦略的顧客関係構築
*最良の顧客関係の見直し
*バリュープライシング
*提供製品から提供システムへの進化
*提供製品を付加価値で包む
*ブランドの感情面、共感面を強調する    

戦略を持って実行することにより、新しい経済性を築ける。


Hidden debt

隠れた負債とは、隠れた資産を活かすことに対する大きな壁となる。

企業文化、企業構造、外部環境の3つが主な負債となる。

具体的には、
文化:企業の思考様式、企業文化、歴史、リーダーシップ、成果に対するコミットメント
* 時には企業文化を破壊しなければならない、時には、成果に対して柔軟になれなければならない。

構造:組織構造・技術力・能力・業績評価と業績連動システム・予算と資源の配分・情報システム
* 給与はどのように決めているだろうか?「えいや!」で決める社長はとても多い、社内だけを見て決めるケースも多い。顧客を見て決めれるだろうか?

外部環境:ブランド・「顧客側の」受け入れ態勢・投資家・流通チャネル・提携関係
* 流通チャネルは時には非常に大きな負債となる。

振り返ると。
従来の製品メーカーの基本的な成長戦略は以下の通り。
・ 生産または供給活動の垂直統合・優れた製品を作り出す研究開発、イノベーション、改善活動・規模の経済をもたらす市場支配力。

こういった成長から抜け出すには、隠れた資産をうまく活用する必要があるが、
隠れた負債に打ち勝つ(または最小にする、対処する)必要もある。
上記のなかで最も影響のある負債を特定し潰して行く作業から始めましょう。

そして顧客との取引ではなく「自社を取り巻く経済性に着目し、顧客の感情に訴える隠れた資産を活かし、新しい分野に参入してみよう。」もちろん、そういった成長が求められる過程にある企業であれば。の話だが。