渡邉支部長のイタリア遠征報告

2024年ヨーロッパ空道選手権大会が6月15日にイタリアのローマで開催され、私、渡邉はそこに審判として参加してきました。

今回の選手権は、ヨーロッパ10か国（アルメニア、ブルガリア、チェコ共和国、フランス、ジョージア、イタリア、リトアニア、スペイン、UK、ウクライナ）に特別参加の日本が加わり、全11か国、約80名の選手の参加がありました。

試合についての感想を書きますと、

Ilaria Agresta (イタリア、女子-220)、Marco Di Zazzo (イタリア、男子-230)、Vilius Tarasevičius (リトアニア男子-250)など、昨年の世界大会で入賞し、今大会でも優勝を予想されていたスター選手たちが、それぞれ準決勝あるいは決勝で敗れる波乱がありました。

逆に言えば、確実に次世代が育っている印象を受けましたし、またU19カテゴリーの各試合もレベルが高いものでした。

国別に言えば、ジョージア、リトアニア、ウクライナ、アルメニアなどの旧ソ連圏の活躍が目立ちました。

ユニークなファイトスタイルを見せたのはブルガリアの男子-270に出場した選手。イマナリロールからの膝十字固めで三試合を全て短時間での「一本」で勝ち、同階級での優勝を果たしました。

現行の空道ルールではタックルに対しては蹴りによるカウンター攻撃が一度のみ可能ですが、イマナリロールに対してはそれが認められていません。今後ルールの検討が必要ありそうに感じます。

運営に関して言えば、多少の混乱がありました。しかし今回の経験を活かして、来年の空道ワールドカップではより素晴らしい大会を主催してくれることでしょう。経験豊富な日本から大会開催の際の注意点をまとめたチェックシートのようなものが提供できればよいかもしれません。

またYouTube等でのライブ配信も欲しかったと感じました。空道の認知度と人気のアップに大いに貢献するでしょうし、参加選手たちの満足度もきっと上がるでしょう。

最後に、少し個人的なことになりますが、私がイタリアに来たのは今回が二度目です。

前回は2006年に東先生がローマに来た際に同行しています。あの時はまだローマには空道大道塾の道場がありませんでした。そこで東先生はとある雑誌編集者と面会し、以前から空道に興味を示している空手の先生を紹介してもらうことを約束しました。

そしてその後、2007年から空道大道塾の活動がローマで始まったと伺っています。

あれから18年。時が経つのは早いものだと思うと同時に、あの時まいた種が今ではこのように大きな実をつける樹になったのか、と思うと感慨ひとしおでした。

今回、この歴史的なイベントに参加させていただき、大変光栄に思います。

空道イタリア、さらには空道ヨーロッパの更なる発展を願って止みません。