全日本シニアの講評・雑感 その2 です。まんまのタイトルでも良かったんですが、大分時間も経っててちょっとあれなんで、別タイトルをつけてみました。
ちなみに「その1」はこちら。
さて本題。
武道をやりだしたからには、ほとんどの人が「達人になる」ことを夢見るのではないかと思います。達人=年を取った老人が、若い修行者を枯れた技で手玉に取るってイメージ。妄想、夢想の世界かもしれないけれど、そういう憧れって絶対に有るよね?!

でも今、世の中によくあるような「達人のエピソード」って何かビミョーなものが多い気がします。例えばA:「街でチンピラ風の若者5~6人に囲まれたけれども、あっと言う間に倒しちゃった」とか、B:「『君、ちょっと突いてきなさい』と言われて、向かっていったら、あっと言う間にさばかれ、抑え込まれていた」とか、、、そんな類のエピソード。「全然すごくない」とは言わないけれど、私的には、それ、結構ビミョーな気がするなぁ、と、、、。

ちょっと冷静になって、そのシチュエーションを考えてみると、まずA:の件について言うと、多分それってその若者たち、遊ぶ金欲しさにその辺で見かけたおっさんを脅して、金を巻き上げようとしたのか何かじゃないかな(?!)と。で、もしそうだったら、そもそもそういうことをする子が真面目に武道や格闘技をトレーニングしている訳もない。こう言っちゃあなんだけど、粋がっているだけのただの素人だよねぇ?! で、しかもその5~6人が全員で達人1人を倒そうと全力で向かっていったわけじゃないし。数を頼りに舐めてかかったら、そのおっさんが予想外に反撃してきてビックリしたっていう状況。達人側から見たら、やり返される危険性なんかつゆほども考えていない無防備な素人を「ガンッ!」っと最初にワンパンチでKOしたら、予想外の展開に慌てふためいている残りのやつらも「ガン、ガン、ガン!」って。正直それならサンドバッグを殴っているのとあんまり変わらないよなぁ?! って思ったり。
B:のシチュエーションもそう。試合なり、自由組手なりをやったことがある人ならわかるだろうけれど、「相手がいつ、何を仕掛けてくるのか?」を読めたなら、それは9割9分勝ちですよ。そこをいかに読むのかが実際の闘いの大部分。そこを「ちょっと突いてきなさい」と言われて、突きにいくこと自体が現実の闘いとは乖離している。試合なり、自由組手の中なりでその技を極められるんなら、そりゃすごいと思うけどさ。正直、そのエピソードだけではどう評価していいのか、、、ちょっと困るなぁ。

B:のシチュエーションもそう。試合なり、自由組手なりをやったことがある人ならわかるだろうけれど、「相手がいつ、何を仕掛けてくるのか?」を読めたなら、それは9割9分勝ちですよ。そこをいかに読むのかが実際の闘いの大部分。そこを「ちょっと突いてきなさい」と言われて、突きにいくこと自体が現実の闘いとは乖離している。試合なり、自由組手の中なりでその技を極められるんなら、そりゃすごいと思うけどさ。正直、そのエピソードだけではどう評価していいのか、、、ちょっと困るなぁ。

とまぁそんな訳で、私は「本当の実力は試合、ないしは自由組手の中でしか測れない」と思っています。別の言葉で言えば「ちゃんとある程度のトレーニングを積んだ者同士が、互いに納得の上で、闘う」という、そういうシチュエーションですね。
しかしそうではなくて「路上の現実=ストリートでの闘いこそが実戦」という主張の方もいるでしょう。でもそこを追究し行くと「武技そのもの」よりもむしろ発想法、、、「兵法」とでも言うのかな??? そちらのほうが重要になってきます。例えば、2階でケンカになりそうになったら「外でやろう」と言って、階段を先に行かせておいて、後ろから蹴落とすとか?!そういう発想。

「武道家はスポーツ競技の選手とは違う」と規定するなら、そういった場面での闘いに関して完全に無知であるわけにはいかないのかもしれないけれど、そういったものはあくまで「教養」の部分かな?! リアルでそこを追究していくと「危ない世界」に足を踏み入れる事になりますよ?! そもそも そうなってくると武技を修練するよりモノを持った方が早いですからね。暗器、、、現代ならスタンガンを持つとか。
でも今の日本で普段からスタンガンを持ち歩いている人がいたら、その人はかなり「危ない人」ですよね?!
「武技を修練する過程において得られる克己心やら自制心etcをもって人格形成に努めること」を第一義に考える現代武道とは相いれないものですね。


そういえばウチでも一時期「護身術クラス」というのをやっていたことがあったなぁ。スタート当初はえらく盛況だったけれど、(私の予想通りに)すぐ下火になりました。参考までに、、。
(あ、でも、Iphone、ipadでは読めないかも??? パソコン(windows)やアンドロイド端末なら読めると思います。)
で、まぁ話を戻しますが、私は「本当の実力は試合、ないしは自由組手の中でしか測れない」と思っています。その意味で大道塾のシニアの方たちは凄いです。現実に「ガチ」で試合をやっていて、なおかつ実際強いですからね。

「空手(or柔道、etc)の経験が数年あります」程度の20代の若造(笑)なら(ほとんどの場合)全く相手にしないくらいの強さを皆持っていますよ、大道塾のシニアチャンプの方たちは。それはある意味ではリアルに、実際に、現実の世界にいる「達人たち」と称してもあながち間違いではないのでは??? と思います。



そんな達人たちに敬意を表して、今回の優入勝者の一覧を、、。
(カッコ内は支部名と年齢)
《軽軽量級》 優勝:桐田 淳利(仙南,52)、準優勝:佐藤 嘉紘(新潟,45)
《軽量級》 優勝:岡田 季之(仙台東,49)
《軽中量級》 優勝:平石 哲也(行徳,47)
《中量級》 優勝:平田 祐二(浦和,48)、準優勝:吉永 直樹(高尾,44)
《軽重量級》 優勝:新出 勝治(行徳,44)、準優勝:戸谷 誠(練馬,45)
《重量級》 優勝:飯塚 進(岸和田,52)
《超重量級》 優勝:寺門 勝利(草加,46)、準優勝:諏訪 一郎(広島中央,49)
反対に、最近なにやら「武術の形(型)をやり、その身体操作を理解することで、あなたも達人技が使えるようになる」みたいなことを簡単に(?)言う人が増えた気がします。ブームって言っても良いのかな??? でもほとんどの場合、そういう団体は試合や自由組手をやらないんですよね?! まぁ主張するのは自由ですが、だったら実際に当人なり、生徒さんなりが、それで試合なり自由組手を闘って、それが本当に使えることを証明して見せてくれないと、、、ねぇ?!

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