ベトナム鉄道旅行(ハノイ~サイゴン)1 | 博物館・美術館を愛するオヤジの日記

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早いもので、ベトナム旅行から3か月以上経過してしまったが、旅行の主目的であった

ハノイ~サイゴン間の鉄道旅行についてまとめておく。



ハノイ駅で発車を待つサイゴン行 SE1


2015/8/24

ベトナムの首都・ハノイとベトナム最大の都市・ホーチミン市を結ぶ鉄道路線は”統一鉄道”の名がついており、いかにも社会主義的な名称であり、また、この国がかつて分断国家であったことをうかがわせる。


ハノイ駅とサイゴン駅(ホーチミン市の駅名は、南ベトナム時代の首都の名称のままである)

は1726km(営業キロ)あり、日本の東京~鹿児島(約1470km)よりも長い。

全線非電化の単線であり、首都と人口700万の大都市を結ぶ路線としては、意外なほど輸送力が小さい。


ベトナムの鉄道路線図


この間を最短29時間30分で結んでいる。

ベトナム国鉄のwebページには、5往復の直通列車が掲載されており、ハノイ発サイゴン行は、夜発で翌々日の早朝着、朝発で翌日の夕刻着に大別される。


ベトナム国鉄の時刻表webページ

(最新のものに更新されため、私が旅行した時のものとは異なります)

(私が旅行した2014年8月の時刻表は後に紹介)

http://giotaugiave.vr.com.vn/Default.aspx


私は、列車を選択するにあたり、次の条件を満たしたいと思った。


・早朝のハノイ出発は避けたい

・2~3時間の遅れが常態化しているので、夜のサイゴン到着は避けたい

・景勝地であるハイバン峠を昼間体に通過したい

・世界遺産の街であるフエかホイアンに寄りたい

・トゥィホア辺りの海岸線が見たい


これをもとに、次の列車を選択した


・ハノイ 19:00発 → ダナン 翌10:21着 SE1

・ダナン 22:15発 → サイゴン  翌15:11着 SE7

(SE1,SE7というのは、列車名か列車番号に相当すると思われる)


SE1に乗れば、

ハイバン峠(フエ~ダナン間)を午前10時頃に通過する。

ダナンからホイアンへの日帰りツアーがあり、午前中にダナンに着けば参加できる。


それと、1号という列車の番号には、なんとなくそそられる。




SE1 の乗車券(指定券つき)


また、SE7は、

トゥィホアを朝5時半頃通過するので、海岸の景色を眺めることができる。

サイゴンに定刻15時着であるので、列車が遅れても夜遅くない時間帯に到着できる。
ダナンを22時15分発というのは、それまで過ごす場所があるか少々不安であったが、元バックパッカーの勘で「どーにかなる」と割り切ることにした。


SE7 乗車券
SE7 の乗車券(指定券つき)


切符はベトナムに営業所を持つインドシナ専門の日本の旅行社で手配。
現地価格はハノイ~ダナン:1011kドン(約5000円)、ダナン~サイゴン1161kドン(約5600円)だが、日本から手配するとどちらも9000円。手数料は安くないが、短い旅程で確実に席を確保するため、良しとした。




ハノイ駅


乗車当日、昼間にハノイ駅を下見。

フランス調の駅舎だが。

真ん中あたりに、不釣り合いな四角いな構造物。

ベトナム戦争中に、アメリカの空爆で破壊された部分をソ連の援助で補修したので、ソ連調の仰々しい建物になってしまったらしい。


改札口の上にLED掲示板があるが、各列車の途中停車駅の発着時刻を表示している様子。

1つの列車の停車駅を順に表示するのではなく、駅ごとに各列車の時刻を表示しているが掲示してある紙の時刻表を見ればよいので、必要があるのだろうか(もしかしたら、実運行の遅れを反映した時刻を表示しているのだろうか)。

改札口


紙の時刻表が掲示してある


9時発のSE5が1番線から発車という掲示だろうか



駅を後にして、街中を散策。

踏切は自動遮断機も警報機も無く、遮断柵を人力で閉める方法。

列車の接近はどうやって知るのだろうか。


ハノイ踏切

ハノイ市内の踏切。

線路内を堂々と人が歩き、バイクも停めてあり、貨物の引き込み線かと思ったが、ハノイとベトナム東部を結ぶ幹線。

メータゲージといって軌間は1000mm。



1泊+デイユースを頼んでおいたホテルでシャワーを浴び、18時過ぎにハノイ駅に到着。

18時20分頃、改札が開く。

改札の前の列車かと思ったら、ホームの端を回り構内踏切を渡って、7番ホームへ。

駅構内は、ホームの嵩上げや上屋を作る工事中。

ハノイ構内


列車は先頭から1~3号車:ソフトシート、6~9号車:3段寝台、10~12号車:2段寝台、その後ろに荷物車?

なぜか4、5号車は連結されていなかった。

1号車
1号車:ソフトシート


我々(私と長男)は、ソフトベットを予約した。

ソフトベットは2段寝台の4人1室のコンパートメント。

旅行社には細かな指定をしなかったが、2人とも下段寝台であった。

(10号車の5番と6番)


19時に定刻出発。

出発のショックは日本の客車よりも小さい。

スピードは時速50km程度だろうか。

街中を走るバイクよりも少し速いくらい。


踏切夜

踏切を超えるが、踏切を待つ車列はさほど長くないので、踏切の遮断時間は長くないようだ。

手動柵は直前に閉めているのだろうか。

だとすると、踏切警手はどこで待機しているのか。また、列車接近はどのように伝達されるのだろうか。


やがて車掌が車内改札に来る。

続いて、チケットの束を持った係員が来る。夕食の食券を売りに来たようだ。


また、車掌が車内誌を配ってくれた。

コンパートメント1室につき1冊であったが、始発駅では同室に我々しか居なかったので、頂戴する。

全てベトナム語なので、内容は不明。

カラーのページに東北新幹線など世界の高速鉄道の写真が載っている。

ただし、裏面にハノイ~サイゴンの時刻表が印刷されているので、乗車中、停車駅を確認するのに重宝した。



車内で配られた情報誌。

表紙は嵩上げ工事が終わったハノイ駅1番ホームの写真。



世界の高速列車を紹介。


ハノイ~サイゴン直通列車の時刻表(2014年08月)。



ロンビエン橋の記事もあるが、ベトナム語は解読不能。


19:40頃、運転停車があり、発車後はスピードアップし70km/hくらいで走っている雰囲気。揺れはかなり激しい。


20:35 NamDinhに定刻で到着。

上段に男女のペアが来る。


21:20 NinhBinhに10分遅れで到着。

21;45 明かりが暗くなり就寝の雰囲気。私もベットに潜り込む。


まどろむが揺れが激しく、大きな揺れが来るたびに覚醒される。


<続く>

ベトナム鉄道旅行(ハノイ~サイゴン)2 ハイバン峠