渡辺です。

愛知県一宮市で、行政書士事務所の開業を目指し準備中です。

 

行政書士を目指す端くれとして、法律や統計など、できる限り客観的なものを交えて発信していこうかと思っています。

が、そうもならない時もあるかと思います。

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

 

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前回、の続き

 

電子定款の作成に立ちふさがる、高い壁。

その正体はまだ霧に包まれたまま。

しかし徐々にその姿を現そうとしている。

 

今回は、その姿のほとんどが明らかになります!

・・・なる、はずです。

がんばります腕。

 

前回のまとめ

合同会社設立登記申請に必要な定款。

その定款に必要な印紙税4万円を使わない、電子定款。

その作成にあたっては様々なものが必要になってくることがわかってきました。

 

マイナンバーカード、ICカードリーダ、電子署名を埋め込むソフトウェア(Adobe Acrobatなど)・・・。

 

しかし、逆に言えば、これだけなんです!

電子定款作成に必要なのは、これだけ!

(厳密に言えば、パソコン、とか、作ったデータを保存するためのCD-R等が必要なのですが、ここでは電子定款を作成する=パソコンは持っているという前提、CD-R等の記録するものは安価で簡単に手に入るため、という理由で省いています。)

 

ここで、電子定款作成に必要な作業を改めてまとめてみると。

 

①Wordで定款文書を作成する。

②文書をAdobe Acrobat ReaderでPDFデータに変換する。

②マイナンバーカードをICカードリーダで読み取る。

Adobe Acrobat Readerの電子署名埋め込み機能で、読み取った電子署名を、PDF化した定款文書に埋め込む。

  「電子署名埋め込みソフトウェア」(公的個人認証サービスの提供する電子証明書を利用する場合には、こういった電子署名を埋め込むためだけのソフトウェアが必要となる。)を使用し、PDF化した定款文書に電子署名を埋め込む。

  (*2018年6月21日 訂正しました。)

④完成したデータをCD-R等に保存する。(オンライン申請ソフトでオンライン送信するなら保存する場所はCD-Rでなくてもよい。)

 

これだけです。

 

これだけかっ!

 

今まで、長々と説明してきたのは、何だったんだ…。

 

しかし、合同会社設立について色々と調べてらっしゃる方はお気づきかもしれませんが、そんなこと、どこにも書いてないんです。

すくなくとも、そんなWEBサイトには出会ったことはありません。

法務省のホームページにも、そんなに親切に解説しているページはありません。

情報と情報をつなぎ合わせて、自分で組み立てる必要があります。少なくとも僕はそうやって情報を収集し、この記事を書いています。とにかく、情報が断片的に散りばめられていています。

 

そしてここで、更なる壁が立ちはだかるんです。

それは、合同会社設立の手続きを解説しているWEBサイトです。

合同会社を設立しようと検索して上位に表示されるサイトで解説されている内容が、主に下記のような内容となっています。

 

「合同会社設立登記申請には、登録免許税6万と印紙税4万円が必要だが、電子定款にすると印紙税4万円は必要ない。しかし、ICカードリーダや高価なAdobe Acrobatというソフトウェアが必要なので、結局準備に4万円以上かかるから、電子定款にするには専門家に頼んだほうが安上りだし手間も省ける」

 

といった内容です。

どうでしょう。

 

「電子定款を作るには、何だか色々必要で、しかもそれは結局高くつくのかー。」

「電子定款を自分で作るの、無理そうやなー。」

「じゃあ、せめて紙で作るよりも安くなる専門家に頼むか。」

 

ということで、結局自分で作るのを断念してしまいます。

そうでなくても小難しい書類作成。

それを、作って提出する方法もややこしいなら、もう始めっから頼んだほうがよさそう…。

こうなりますね。

 

しかし、こう判断するために参考にすると思われる様々なWEBサイトの情報。

ほとんど間違っていないですが、違う部分がありますよね。

わかりますでしょうか。

それは、「高価なAdobe Acrobatというソフトウェアが必要」という部分ですね。

 

確かにAdobe Acrobatは有料で、安くありません。

しかし、前回に説明したように、それが絶対に必要というわけではありませんよね。

Adobe Acrobat Readerというソフトウェアは無償で提供されており、法務局としてはそれでも大丈夫と明示しているからです。(登記・供託オンライン申請ネット サポートセンターにも電話して確認済みです。)

 

Adobe AcrobatとAdobe Acrobat Reader。

名前は似ていますが、異なるソフトウェアです。

なので、「手間が省けるから専門家に頼んだほうがいい」、というロジックは間違っていませんが、「準備物が高価なので専門家に頼んだほうが安価」、という説明は間違っています。

 

じゃあ、ICカードリーダは?

それは買わなきゃいけないんでしょ?

 

そうです。ICカードリーダはどうにかして手に入れる必要があります。

しかし、Amazon等で、2000円前後から販売されています。

ちなみに僕が購入したのは、これです↓

 

 

*「非接触」というのは、Suicaをピッとかざすように、この機械の上にカードを置くだけで、ICチップを読み取ってくれる仕組みのことを言います。逆に、「接触」というのは、銀行のATMのように、カードを差し込んでICチップと機器が直接接触して内容を読み取る仕組みのことを言います。

 

ちなみに、ICカードリーダの使用する場面は、電子定款作成だけではありません。マイナンバーカードを使ってe-TaXでも使えます。また、マイナンバーカードに限らず各種電子マネーカードを使って、チャージしたり内容を確認したり支払をしたり、様々なシーンで使えます。(*具体的に、どのカードで何ができるかは、各カード会社やアプリによりますので、使用に際しては必ずそれぞれの説明を事前に確認してくださいね。)

 

これを高いと思うかどうか。

あとは、それぞれの判断次第です。

 

本当は自分で作ることができるから自分で作ったほうがいい、ということを主張したいわけではありません。

自分で作っても頼んでも、どちらでもいいと思います。

ただしその判断材料が、本当に正しい情報なのか。

僕自身、調べれば調べるほどややこしいと感じてしまうので、ここで改めて整理をし、正しい情報を確認しておきたかっただけです。

 

と、いうことで、電子定款。

まとめておきます。

 

電子定款は、マイナンバーカード(又は住民基本台帳カード)、ICカードリーダ、Adobe Acrobat Reader、電子署名埋め込みソフトウェア(2018年6月21日 追加しました。)があれば作成できて、

必要な費用は、ICカードリーダ(商品によるが2000円前後~)のみ。

これらで、作成した文書をPDF化し、電子署名を埋め込めば、必要な基準を満たした文書が完成できます。

 

どうでしょうか。

さて、次回は、こうして作った定款とその他の書類を、どうやって法務局へ提出するか。

その提出方法を詳しく見てみます。

*Adobe Acrobat Readerと電子署名埋め込みソフトの具体的な操作等は、今後記事にしていく予定。

 

☆合同会社設立を明らかにするシリーズ☆

 

第1回 

「簡単なはずの合同会社設立を煩雑にしているもの その全貌を明らかにする企画①」

第2回 

「簡単なはずの合同会社設立を煩雑にしているもの その全貌を明らかにする企画②」

第3回 「簡単なはずの合同会社設立を煩雑にしているもの その全貌を明らかにする企画③」

第4回 「簡単なはずの合同会社設立を煩雑にしているもの その全貌を明らかにする企画④」

補足 「電子定款作成についての記事(2018年6月18日付)の内容一部修正」

第5回 「簡単なはずの合同会社設立を煩雑にしているもの その全貌を明らかにする企画⑤」

 

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*現在、登録申請中のため、「行政書士」を語っての営業・業務はできません。表現には注意しているつもりですが、当ブログ内容に紛らわしい点、法律に抵触する疑いのある点などございましたらご指摘ください。不備があれば直ちに訂正致します。