ナカムラです。

昨日は平塚にある湘南ベルサイドという特別養護老人ホームで働くDHさん、猪野貞子さんの取材に行ってきました。

クインテッセンスの大谷さんといつもお世話になっている武内歯科医院のとさちゃんこと笠井さんと一緒に行ってきました。

施設の見学は学生の時以来。
どんなお仕事をされているのだろうとワクワク楽しみに行ってきました。
もちろん、平塚に近づくにつれ緊張感は膨らみ…

ですが、猪野さんに出会った瞬間にあったかい気持ちになりました。
お仕事を1日見学させていただいたのですが、猪野さんの愛の深さをすごく感じました。
以前、チーフが明快塾で言っていた「ヘルプとサポート」を思い出しました。
愛は全てをやって差し上げることではないと。
本来の機能の維持、向上がその方にとってどれだけの価値があるのか。
口から食べ物を食べることが難しいと診断された方、ペースト食が受け入れられない方。
お一人お一人にとって、食べる喜びの価値は違います。
どうサポートしていくか…
これは一人ではできません。
猪野さんは口腔ケアだけでなく、摂食嚥下のプロです。
ですが、1日で見れる時間も限られますし、毎日いることもできません。
食事だって作れません。生活にはさまざまなことが関わります。
だから、チーム力が大切です。
Dr、ナース、DH、管理栄養士、ケアスタッフさん、など、さまざまな分野のプロが
意見を出し合い、その方にとってのベストの生活を演出、サポートしていました。

口腔ケア会議というのも一緒に参加させていただいたのですが、
口からものを食べるという行為が、いかに人として大切なのか再確認しました。
歯科の資格がなくとも、スタッフさんは口腔内の知識は豊富で
「どこどこの第一大臼歯が崩壊していて…」や、「口腔粘膜の剥離がある」
など報告事項も専門的です。
ケアスタッフさんは、入所者さんの義歯の具合も把握していました。
猪野さん曰く、ケアスタッフさんの関わりがあってこそ、入所者さんにとって必要な処置をDr7に報告できるそうです。
「ここのスタッフさんは私の自慢なの!!」と笑顔で話す猪野さん。
でも、最初からこんなに連携もとれていなければ、口腔ケアに対する関心もなかったそうです。
猪野さんが、実際にやって見せて、変化を体験していただいて、そして少しずつ信頼関係を構築していったそうです。
残存機能の維持のための口腔のマッサージ。
猪野さんがやっているところも見学しましたが、猪野さんの技術を受け継いだスタッフさんがやっているところも見学させていただきました。
「みんなにその技術が伝われば、毎日ケアできるでしょ。」と猪野さん。
講習会を開いて、練習したそうです。
今では、習得したスタッフさんがほかのスタッフさんに教えているそうです。
口腔ケアは清潔のにするだけでなく、機能の維持、回復も入るのだと改めて、DHの仕事の幅広さを感じました。

私も、口腔ケアを少しだけ体験したのですが、見ているのとやるのでは全く違いました。
姿勢は正しくあるか、入所者さんは苦しくないか…
いろんなところに目を配らせているんですね。
コミュニケーションをとりながら、手を握りながら、目を見ながら
相手の体調と、気持ちを観察する。

でも、忘れてはならないのは
「ヘルプでなくサポート」。

たとえ、全介助だって、口腔のマッサージするときにはその方自身も頑張ってもらわなければ
成り立たないのです。

「時間は有限、希望は無限」
素敵な言葉をスタッフさんに教えていただきました。
時間は有限だから、無駄にしない。
その方にとって必要なことは今その場から取り入れるし、変更していく。
それは、安全と安心のため、そしてその方の幸せのため。

入所者さんに寄り添い、家族のような深い愛でおつきあいしていく。
DHの仕事も無限大だと感じました。

猪野さん、本当にありがとうございました。
猪野さんの愛に触れられたことに心が熱くなりました。







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