大東亜戦争を含むその前後の歴史は、日本にとっては誠に過酷な歴史であった。日本の指導者に「無謀な戦争を始めた『戦争責任』」を問う意見があるが、それこそ「自虐史観」に毒された「歪んだ歴史観」であり、歴史の真実を探究する姿勢を放棄した「知的怠惰」と言わざるを得ない。
日本にとっては、正に「人智を超えた邪悪な力が働いた期間」であった。日本の指導者が何をどう努力しようと、戦争は避けられなかったであろうし、戦争終結のシナリオも、日本人の力の遠く及ばないところで、日本人の意志と生死を無視して決められていったのである。
1937年(昭和12年)9月6日に F・ルーズベルトは「世界の政府間の平和の為に米国が先頭に立って大掃除をする準備ができている事を公にする」とヘンリー・モーゲンソー財務長官とハル国務長官に語り、10月5日、世界で行なわれつつある侵略行為を非難する為に「病人」になぞらえた「隔離演説」をシカゴで行った。
「世界の九割の人々の平和と自由、そして安全が、全ての〈国際的な秩序と法を破壊〉しようとしている残り一割の人々によって脅かされようとしている。不幸にも世界に無秩序という疫病が広がっているようである。身体を蝕む疫病が広がりだした場合、共同体は、疫病の流行から共同体の健康を守る為に病人を隔離する事を認めている」
何と、名指しこそ避けてはいるものの、〈白人による植民地支配を否定〉し、大東亜共栄圏構想を持つ日本を「疫病・病人」になぞらえて、世界から隔離しようと公言したのである。
米国大統領 F・ルーズベルトは、真珠湾攻撃 以前に日本本土の各都市部への奇襲爆撃の命令書に実際にサインしたし、1941年8月には開戦もしていないのに戦後の日本をどのように統治するかをW・チャーチルと密談している。
F・ルーズベルトは「狂人」であり「人種改良論者」であった。人種観、特に異人種間の結婚に対する考え方は異常であった。1942年(昭和17年)の太平洋戦争会議では「人類は、均等な機会が与えられるなら上手く混ざるだろう。我々が知っているような人種差別は軽減されて、世界の国々は人種の坩堝(るつぼ)のようになるだろう」と語った。
一方で、駐米英国公使ロナルド・H・キャンベルとの会話で、ルーズベルトは、スミソニアン博物館の研究者による、日本人の頭蓋骨は「我々(白人)のより約2000年発達が遅れている」という見解を紹介した上で、「人種間の差異を重視し、人種交配によって文明が進歩する」などと語った。
「インド系やユーラシア系とアジア人種、欧州人とアジア人種を交配させるべきだ。だが『日本人は除外』する」、「日本人が敗北した後は、他の人種との結婚をあらゆる手段を用いて奨励すべきである」などとキャンベルに語った。これはこの地球上から日本人の純血種を消し去る『日本民族浄化』思想である。日本人の血をこれほど憎んだ米国大統領は後にも先にも居ないだろう。
あらゆる策を弄し日本を戦争に引きずり込んだ狂人が F・ルーズベルトであり、多くの反対意見を承知で謂わば秘密裏に「原子爆弾投下」を命じた狂人がハリー・S・トルーマンである。この二人の狂人大統領に巡り合ってしまった日本国は史上最悪の不運に翻弄される事になる。
白人至上主義団体「Ku Klux Klan」(KKK)の元構成員であったトルーマンが、全米有色人種地位向上委員会で演説を行ない、公民権運動を支援した初めての米国大統領と言われているのは実に皮肉な事である。
トルーマンはルーズベルトの急死により大統領に昇格すると外交政策に没頭して1945年(昭和20年)7月にはポツダム会談に参加。米国・英国・中華民国の三ヶ国によるとされる「ポツダム宣言」を発表した。これはソ連抜きによる大東亜戦争終結宣言を狙ったものである。
併し、7月17日にスターリンと会談したトルーマンは、ソ連が「ヤルタ密約」の通り8月18日に参戦する事を確認した。ところが7月21日に原爆実験成功の報告を受けたトルーマンはそれまでの軟弱な態度を一変させて、東欧問題などでソ連に強硬姿勢をとるようになる。
ソ連の裏切りに気づかない日本は、敗戦を覚悟して7月12日、駐ソ連日本大使、佐藤尚武 宛てにソ連に和平の仲介を依頼する特使を派遣すると打電した。この暗号は米国に即座に解読され、日本が和平の動きに出た事を知ったトルーマンは、原子爆弾投下を急いだ。
併し、米陸海空軍参謀本部は、トルーマンが三ヶ国首脳会談をする前に合同会議を持ち「ソ連の参戦と天皇制存続を認めれば日本は降伏する」との見解を示していた。壊滅状態の日本には原子爆弾の存在を知らせるだけで充分であるとの意見も同時に大統領に具申された。
原子爆弾を開発した科学者たちも、日本への実戦使用には強く反対した。科学者の多くはユダヤ人で、ドイツが原子爆弾を先に開発するのを恐れて、米国の原子爆弾開発に協力していた。科学者たちにとって日本への実戦使用は全くの想定外であった。
共和党の大物たちも日本への原爆投下に強く反対していた。であるから、共和党や共和党系の将軍たちに原爆投下命令が知らされたのは、原爆投下の僅か2日前であった。
この爆弾の日本への使用については、後に共和党大統領となるアイゼンハワーなどが猛反対しており、マッカーサーを含む共和党支持の陸海空軍の将軍たちは全員、反対意見を具申していた。
トルーマンの心の奥底は、今となっては知る由も無いが、おそらく、大東亜戦争の終結に際して、「日本の降伏」より先に「原子爆弾の投下」を実施してしまおうと、大いに焦っていた事であろう。狂信的人種差別主義者という共通項を持つ、ルーズベルトとトルーマンという狂人により日本は破壊されたのである。この二人を前に、何をどう努力したら日本の悲劇は避けられたというのであろうか。
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▪アメリカの原爆投下はただの人体実験であった KKK出身のトルーマン KSM