石平氏の新著の『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』というタイトルには思わず唸らされた。「目から鱗」というべき斬新かつ骨太の歴史観がかくも簡潔明瞭に語られているからである。
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我が国が繁栄したのは、平安時代、江戸時代、明治の文明開化期、そして戦後の高度成長期である。そのいずれの時期も、我が国は中国とはほとんど接触がなかった。
逆に不幸だった時期は、近代では昭和12(1937)年に始まった支那事変から大東亜戦争敗戦までの期間、それから直近のデフレによる「失われた20年」であろう。前者は満洲への進出から泥沼の大戦に入り込み、後者は中国への企業進出と安価な中国製品流入が国内にデフレ不況と高失業率をもたらした。
こうして見ると、「敬遠中国」すなわち「中国を敬して遠ざけると日本はうまくいく」という経験則は、ほとんど例外なく我が国の歴史を貫いていることが分かる。
問題は「なぜか」ということだが、石平氏は各時代の歴史を遡って、その「なぜ」を探り出し、そこから我が国の今後、行くべき道を示唆している。
(文責:伊勢雅臣)
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6つの大きな時代に区切って遡って投稿していく…