さよならエルボー馬鹿一代 | 闇鍋日記

さよならエルボー馬鹿一代

プロレスリング・ノアの社長であり現在もトップを走るレスラーの一人であった三沢光晴が亡くなりました。原因は試合中に受けた高角度バックドロップの受け身に失敗しての脳出血だったそうです。プロレスラーの試合中の事故死というのはさほど珍しい事ではありませんがこと日本のトップレスラーとなるとあまり前例がありません。病気で逝ったジャンボ鶴田や橋本真也とは基本的に違います。しかし私は近いうちにこのような悲劇があるのではないかと心配していました。何故なら試合内容や技のかけ方が年々激しくなっていたから…。もう数年前になりますが女子プロレスのプラム万里子さんがやはり試合中の事故が原因で亡くなっていましてその頃の女子プロと今の男子がダブるのです。ノアと言う団体はジャイアント馬場さんが立ち上げた全日本プロレスから枝分かれした団体で本来は馬場さんの掲げた『明るく楽しいプロレス』をしていたものです。それがいつの間にか過激で激しい物に変わっていってしまいました。そのような方向に持っていった張本人の一人が彼だったのです。
二代目タイガーマスクとして華々しく登場してから今日まで常にトップを張り続けた男の死に様としてはいささか呆気ない気もしますがリングの上で死ねたのは本望だったかもしれません。彼が生涯大事にし、フィニッシュとして使い続けたエルボーバットは彼が進んでいった難しいプロレスとは正反対の実に判りやすい技でした。亡くなる前に基本に立ち返る事ができていたなら…そう思うと残念でなりません。

今頃は天国で師匠の馬場さんに怒られて大きい身体を小さくしているかもしれませんね。