エッセイ とある金融業界勤務を通して、10年を振り返る その11 | あっきゅんのぼやき

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「土曜日の過ごし方」

 

金融市場は土曜日は休みだ。が、お客に会うことはできる。

面接時は土日休日と聞いていたが、営業部においては「休日は勝ち取るもの」の認識で、数字ができれば土曜は休んでいいが、あまりに悪ければ日曜だって出社しなくてはいけない、というのがルールだった。

 

しかし平日と比べると部内の気も緩んでおり、朝礼も無ければ電話練習もない。9時くらいになるととりあえず12時くらいまで電話営業を行う。といっても土曜日出社する役員なんてあまりいないので、見込み先に数件電話するようなものだが。

 

部長は10時くらいにやってきて、自分の机でネット検索して時間をつぶす。

部下の周りをうろうろ回って

「なんだお前!俺よりいいYシャツ着てるんじゃないの?」

といった雑談もすれば

「課長職以外全員集合!」

と部長の机の周りに集め、突然

「今から大喜利を始めます。まずはメンバーのご挨拶から」

と無茶ぶりをしたりする。

「お前今日デートなんだって?じゃあ早めにここ出ろよ。どこ行くんだ?」

と気をかけつつデート場所を聞き、部長課長でその様子を覗きに行ってニヤニヤするとか(部下からすればいい迷惑だが)自由なものだった。

そんなら土曜日出社しなくてもいいじゃん!!思っていたが、今思えば逆に普段見れない仕事以外の顔が見られるからこそ、きつい仕事でも出来たのかもしれない。

 

お昼は外で食べることができる。部長は大体お昼を食べると

「客先いくから」

と外出直帰。

課長職もその10分20分後に客先に行くといって直帰。

我々平社員は1時間ほどのちに、課長に成果を報告し、

「今日はもう上がれ」

という指示で帰る。

 

トゥルルル・・・・

「もしもーし!!(ガラガラガラ・・・ピー!!スーパーラッキー!)」

「あ、課長!確変中の時にすいませーん!」

「全然でねーよ!!(106番大当たりです!)」

「月曜に向けていい見込み出来ました!」

「じゃあもう帰っていいよ!おつかれ!(ボタンを連打ー!!)」

といった電話をして、15時くらいには遅くとも会社を出る。

 

その他おつかいを頼まれることもある

「熱海の○○さんっていうとこに取り入引き報告書渡してこい。そのあとは直帰でいいから」

と言ったようなものもあれば

「渋谷に○○っていうポマードあるから2つ買って来い!おつりは小遣いにしていいから!」

という完全に使い走りも頼まれる。

 

仕事なら経費で観光地巡りもできるし、普段行かないようなとこにお使い名目でいけるわけだから息抜きのいい刺激になる。

 

夜はほぼ週一で開催の同期の集まりに参加、新しいものがすきな一般職の女の子が色々企画してくれる。家に帰るの面倒なのでいつもスーツで参加していた。

こうして私は東京を色々な人の目線で満喫していた。