越前市のJA越前たけふ(冨田隆組合長、組合員約1万人)は2013年1月、コメの販売など主力事業を100%子会社の「コープ武生」に譲渡しました。
JAの流通ルートから離脱してコスト削減などを図り、地元ブランド米・コシヒカリの競争力強化を促進するのが狙いです。

 越前市は、県がコウノトリ放鳥をめざすなど、自然に恵まれた土地柄。

JA越前たけふは、稲が実る時期を猛暑から避けるために田植えを遅らせるなど、コメの品質向上に早くから取り組んできています。
だが、JA県経済連に販売を委託する“JA方式”では、良質のコメも普通のものもほぼ同じ値で買い取られるのです。

 このため、JA越前たけふは2010年から、農薬と化学肥料を県基準の半分以下でつくった特別栽培米約1200トンのみ直接販売する方式を導入しました。

コメのうまみ成分を点数化する「食味値」と、米粒の大きさや形を評価する「整粒歩合」を同年から表示し、おいしさを科学的に分析する全国共通の物差しでアピールしました。

すると、ブランドイメージが高まり、昨年からは生産された全てのコメ約8400トンも直販だけでさばけるようになり、12年産は11年の生産量を上回るほど予約が殺到しているそうです。


JA越前たけふの富田組合長は今回の全中改革を地域JAに対する「やるべきこと(農家の自立支援)をやりなさい」との叱咤激励と受け止めています。

「組織からの離脱だの、中央への反旗だのと言われるが、そんな大それた考えはない。組合員にとって何がよいかを考えたら、こうなった。農家のための農協という原点に戻るだけだ」

 JA越前たけふの冨田隆組合長は自身が打ち出した一連の“改革”をそう言って笑い飛ばします。

民間企業で働いた経験を活かして新たな道を模索している富田組合長。

日本の農業の自立支援を本来やるべき全中全農の原点に戻ろうとしているだけなのかもしれません。

地域の農協の改革を期待したいです!