メゾン・ド・ヒミコ | secret passage

メゾン・ド・ヒミコ

ずっと見たいと思っていた
メゾン・ド・ヒミコを昨日の夜見ましたひらめき電球
犬童監督はジョゼを
ちらっと見たことあるだけだったんだけど、
役者の新たな一面を描くのが上手い監督だなぁ
とつくづく感心でした。

自分と母親を捨てた、
ゲイの父親を憎むヒロイン・沙織は柴咲コウちゃん。
沙織の父・卑弥呼の彼氏・春彦にオダジョー。
そしてキーパーソン卑弥呼には舞踏家の田中民。
(変換で出ないけど本当はさんずいに民)
個性の強いキャストを、
とってもよくまとめてる作品だと思います。

ゲイのための老人ホームを舞台に
底抜けにキャラのたった愛すべきオカマたちがくりひろげる、
素直すぎる日常。
"普通の世界"から吐き出され
ゲイの中でしか生きられない息苦しさ。
死へゆっくり近づく中で、
来世に女に生まれ変わることを望む切なさ。
愛で命は救えないことを悟る真っ当で悲しい瞬間。
相手も相手の心も愛せているのに、
体の関係だけは
どうにもならない沙織と春彦。

ゲイの数だけゲイの愛し方があるけれど、
春彦は"女"を愛せないのではなく
"女の体"を愛せないんだね。
沙織の『触りたいとこ、ないんでしょ』は
心に刺さるものがありました。

それなのに、
女なら誰でもいい(ように描かれている)
細川専務とは
愛がなくてもできてしまう。
あぁ切ない切ない。

死の間際になっても
どうしても卑弥呼を許せない沙織。
ママの苦労を考えたら当然なのだけど、
それを見越した卑弥呼は沙織に
『わたしはあんたが好きよ』
と優しく残酷に伝える。
ゲイでも捨てても
妻だったママも娘の沙織も
たったひとつの家族なんだものね。
卑弥呼の身勝手さは
ママと沙織への愛がある証拠でもあるんだね。
沙織に隠れてオシャレをして
自分に会い続けたママを愛し、
自分を憎み続ける沙織を赦し、
死んでゆく卑弥呼。

ラストに希望は持てるけど、
決してご都合主義ではないと思います。
だって、沙織があそこに戻っても
根本的な問題は何も解決してないもの。
それを含めて沙織も一緒になって
これからのことを考えていって欲しいなぁ、
と思いました。

あと、この映画のいいところは
主人公たちがきちんと"お盆"に
向き合っているところ。
家族を捨てた罪滅ぼしかもしれないけど、
先祖をきちんと出迎えて弔ってる。
日本の文化を伝えてる、という意味でも
とっても素敵だなぁと思いました。

そして、なんといっても
オダジョーと西島秀俊のかっこよさ!
オダジョーは作品選んでるなぁ、と。
あのかっこよさには唸らされますよ(笑)
白シャツ一枚をさらりと着こなして
ベランダを背に様になる姿…( ☆∀☆)
セ、セクシードキドキ
つまらないドラマに出て
視聴率うんぬん言われるタイプの
俳優さんじゃないわね、彼は。←何様
これからも世俗とは無縁の作品に
高潔な感じで出続けて欲しいわ★
で、西島秀俊さん!
わたしこの人って
もっと台詞が覚束ないイメージだったんだけど←失礼
あのクレイジーで『馬鹿な女嫌いじゃないよ~』的な役を
嫌みなく演じられるのはスゴいと思う。
彼のいろんな作品を見たくなりましたニコニコ

この作品は
"ゲイのための老人ホーム"という
特異な設定に飲まれることなく、
人間の孤独とか愛とか欲望とか
家族とか負い目とかコンプレックスとか
普遍的本質的な面を
きちんと描けてるなぁ、と思うの。
自分が関わりを持っているから
思うだけかもしれないけど、
日本でゲイとして生きていくって
すごく大変だと思うの。
月並みな言葉だけど。

だって、街中で男女のカップルがいちゃついてるのは
スルーできるけど、
男同士だったらやっぱり見いっちゃうでしょ(笑)?
でも、同性愛に関して閉鎖的で保守的な
日本の街中で、
堂々と女装したり
いちゃついたりしてる人たちを見かけたら
こっそりスルーしましょ(笑)
人の数だけ個性があるんだもん、
ゲイだからって何よ?!って捉えて
受け入れればいいのよ。
まぁ、言葉にするのは簡単だけどね。

わたしはやっぱり
設定に飲まれないで
人間の本質が描ける映画が
好きなんだわぁ音譜
あとはキャストの個性的っぷり。
次はなに見ようかなぁー\(^ω^)/



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