春日大社にあるこの句碑。
天の原 ふりさけ見れば
春日なる 御蓋の山に いでし月かも
阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)が唐より、日本を思い、
詠んだ句ですね。
阿倍仲麻呂は、広い学識ある人物として知れ渡っていたが、
遣唐使として唐に渡り、
一度、帰国を目指したものの難破し、今のベトナムに漂着し、
九死に一生を得、再び唐に戻ることとなる。
~唐では大学(※)をも卒業する秀才ぶりを発揮し、有能さから
日本に帰ることを止められるほどだった。~
大学(※):
大学と言っても、現在の大学とは違う
その後は、日本に変える機会もなく客死する。
(2枚目、月の左下に見える光点は木星)
唐では上位の官位を頂き、生活に苦労はしなかったが、
やはり祖国、日本への思いは常に頭にあり、
かつて見た、平城京から見上げる御蓋山に登る月が、
望郷への風景そのものだったのかもしれません。
そのことが忍ばれる歌です。
あまりの暑さに、鹿も水をごくごく、です。