夜中に、とてつもなく叫びたくなる様なさみしさ、大声で泣きたくなる様な悲しみが降りて来た。


俺は飛び起きて、その感情が収まるまで耐えていた。



夕方姉ちゃんからLINEがあった。

『今日病院に着替えを置きに行ったら、看護師の人が突然お母ちゃんとリモート面会させてくれた』との事。

今はどこの病院でもそうだと思うが、直接の面会は中々出来ない。

もちろん、コロナのせいではある。


リモート面会も、申し込んで病院の都合で日時が決まる。

しかも、1か月で2回まで。


姉ちゃんに、『お母ちゃん、良くなった?』と聞くと『悪いから、面会させてくれたんじゃない』との事。



お母ちゃんは、1年位前から体調を崩す様になっていた。

別にどこか悪い所があるわけではないが、加齢によるものだ。

しかし、1か月位前に誤嚥性肺炎で入院した。


最初、持っても今年いっぱいと言われた。


その後、肺炎も良くなり、体調が良くなったら退院も出来るとの事。

しかし、また肺炎が再発してしまった。


俺としては、『まー、時期がきたかな』と思っていた。

生きとし生ける物は、必ず死ぬ。


もちろん、母親が亡くなるのだ、悲しさは当然の如くある。


しかし、自然の流れとして捉え、気持ちの整理をしていた。



でも、溢れるような感情が、降りて来た。

人の気持ちは、『自然の流れ』で片付けられる様に単純なものではない。



朝起きると、6時過ぎるのを待ち姉ちゃんにLINEをした。

リモート面会予約してくださいと。

姉ちゃんからは、いつが良いかとか土曜日は空いてるかなど、返信があった。


土日は予約が多いだろうし平日で良い、明日でも明後日でも良い旨伝えた。


姉からは午後2時以降じゃないと、予約の受付が出来ないとか連絡があった。



会社に行って10時休みを取っていると、姉ちゃんから電話。


さっき病院から電話が来て『今日一時個室に移すから直接面会出来ます』との話。

俺に来れるか?との話。


当然、午後から早退して実家に行きます、と返事した。



俺として、極近い将来お母ちゃんと面会出来るのはわかっていた。

だから姉ちゃんにLINEしておいたのだが。


まー、あっという間に面会出来る事となった。





長くなったので、また続き書きます。