いつも行く近所の小料理屋?に、いつも「のぶちゃん」と呼ばれている御老人がいる。

のぶちゃんは、昭和二年生まれ。

いつも一杯やっている。


のぶちゃんはいつも、「俺は運が良かった」といっている。
戦争の時も、少年兵としてかり出されても、運良く生き抜いて、戦後も東京で良い仕事に就けた。

音響機器関係の仕事に就き、芸能関係者ともそのつながりから交友があったらしい。
タップリ稼げたらし。

のぶちゃんは、苦労話しはしない。
良かった事しか、話さない。

でも、良かった事の裏には、大変な努力やなんかがあったのだと思う。

俺も苦労話しはしない。

俺は戦争にあった訳でも無いし。
自由に生きて来られた。

一生懸命に努力したり、歯をくいしばって仕事をやり抜いた事もある。

でも、誰かに強要された訳でも無いし脅された訳でも無い。

自分の意思で、やって来たのだ。

だから大変でも苦労でも無い。
嫌ならやめれば良い。


お袋は戦争の時の苦労話しを、良くする。
戦争と言う状況下で、自身が望まない努力を強いられる。
これは苦労と呼んで良いと思う。

苦労話しをする人も良くいるが、そこで生きていて話が出来るのはラッキーな事だと思う。

アンラッキーなら、そこにはいない。


生きる事に置いて、一生懸命なのは最低条件だと思う。


だから、みんなラッキー。