ゑび蔵が、更に凶暴になった。
手のつけようがない…。
 
猛禽類の飼育の仕方は、確立されていない。

俺は数件のショップの店員さんの話をもとに、自分なりにゑび蔵と付き合っていた。

本屋に行った時『はじめてのフクロウとの暮らし方 』なる本を買ってしまった。
その本はどこぞの偉い獣医さんだかなんだかが書いた本で、それをスミズミまで読み漁った。

それから、その本の通りにゑび蔵と接してきた。

ゑび蔵は、みるみる野生に戻り、縄張りを主張し、俺にも嚙みつき、手がつけられなくなった。

ある意味においては、正解なのかもしれない。

しかし、ゑび蔵は人口的に繁殖した個体なのだ。

野生に帰り好き勝手やってて、良いのだろうか?

極端な話俺が野に放っても、自身で餌を取っていきていけるのだろうか?
それは、無理だろう。

だって、人のてで育てられたのだから。


俺は変な本を読んだ事を、後悔している。

ショップの店員さんの言う事の方が、より実戦的だった。

あとは、個々の性格を見極めて、接し方を探って行くしかない。


俺の以前の接し方が、今にして思えば正解だった。


今のゑび蔵は、手がつけられない。


でも、俺はゑび蔵が好きだ。
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