出所後逮捕される前に雇ってくれてた会社の社長が再度雇用してくれた。

 

真面目に仕事をしていたからという事で。

 

満期で出所する前に実家に電話が来てて、そろそろ出所ですね。出所したら連絡くれるように伝えといて下さいってうちの親に言ってくれてた。

 

覚せい剤を本気で止める気があるなら再雇用したいと。

 

覚せい剤止める気なんて1ミリもなかったけど止めますって言って嘘ついた。

 

コントロールすれば良いだろうって感じで。

 

コントロールなんて出来ないのに。

 

コントロール出来るなら何回も刑務所なんて行かないだろって笑。

 

そんな事も分からなかった頃。

 

5ヵ月近く覚醒剤をやりたいのをガマンしながら何とかやらずに来てたんだけど、もうガマンの限界と言う事でやってしまった。

 

約3年半ぶりの覚醒剤は思ったより良くなかった。

 

打って2時間もしたらヨレてしまう始末。

 

こんな早くキョドってしまうなんて嘘だろって思ってもう一発打ったら今度は10分くらいでキョドってしまった笑。

 

その後何回か試したけどやっぱり良くない。

 

頭痛や吐き気がとにかく酷かった。

 

この覚せい剤大丈夫かって思ってたら、同じネタやってた知人が〇んだ。

 

そんな事があって覚醒剤見るのも嫌になって押し入れに入れてて気付いたら埃かぶってた笑。

 

それでも覚醒剤の依存は強力で1カ月もすると刑務所仲間からネタが悪いんだよと言われた事もあり、その人からネタ引いてぶちこんでもらったら、なんてこの世界は最高なんだろうって感じになった。

 

そしてこれが覚醒剤だって思った。

 

この日から仕事も行かないで刑務所仲間の家で覚醒剤やりまくってた。

 

毎日毎日覚醒剤やって、やればやる程勘繰りやら妄想が酷くなって周りにメチャクチャ迷惑掛けまくってた。

 

あまりにも酷すぎて知人に強制的に実家に帰された。

 

実家に帰っても毎日毎日覚醒剤やって両親に迷惑掛けて、最後は父親にこの家で覚醒剤やるのを禁止するって言われた笑。

 

この頃はもう幻覚幻聴と言うより何がホントで何が妄想なのか分からなくなってて、現実と妄想の区別がつかなくなってた。

 

ある日いつものように幻聴が聞こえて実家の近くのアパートに知り合いがいると思ってしまいピンポン鳴らしてしまった。

 

そしたら男の人が出て来たから「○○君いますか?」って聞いたら、

 

当然いる訳もなく「そんな人いませんよ」って言われてドア閉められた。

 

そのまま帰れば良かったんだけどここでも必殺の妄想が入ってしまい居留守使ってるんだなって勝手に思い込んで、俺をかつごうたってそうはいかないと思いまたピンポン鳴らしてしまった笑。

 

そしたらまた男の人出て来て「なんですか?」って言うから、

 

「○〇君いるでしょ!」って言ったら、

 

「いや、いないですよ。さっきもいいましたよね?」って感じでまたドア閉められた。

 

そしてまだ居留守を使われてると思い込んでる俺は3回目のピンポン鳴らした。

 

今度は全然出て来ないから連打でピンポン鳴らしたらやっと出てきた。

 

そして「一体何なんですか?」って怒って来てやっと誰もいない事が分かって帰ろうとしたらその人追っかけてきた。

 

その時ちょうど父親が俺が家からいなくなったのに気づいて近所探してたらしく、俺を見つけてその人に必死に謝ってるのが見えた。

 

ホント両親に迷惑かけたなぁって思う。

 

そして実家で覚せい剤やるのは止めようって思った。

 

この話を刑務所にいる時同じ部屋の人に話したら「○○ちゃん今度ピンポン鳴らしたくなったら懲役3年と思って鳴らしなよ」って言われた笑。