出所後3ヶ月がたった頃の出来事で、ある日、刑務所仲間と会う約束をして、その人の自宅に行ったら覚せい剤ストローであぶってて、「1発分くらいならあるから注射で入れちゃいなよ」という誘いがあった。
この時もホント覚せい剤やりてーなーって思った。
帰り車で帰らなきゃならないし、夜中だし、そんな事もあってここでも踏みとどまった。
ホントいつも覚せい剤をやるかやらないかの綱渡り状態だと思う。
この頃は1週間に1度NA(自助グループ)に顔を出してて、何とか覚せい剤をやらないようにもがいていたかな。
年明けた頃の朝7時くらいに刑務所仲間から電話があって、出ようと思ったら切れちゃった。
間違って電話して来ちゃったのかと思いつつも、折り返し電話しても電話に出ない。
何時間かしたらまた電話がかかって来て電話に出て俺が「電話くれましたよね?どうしました?」って聞いたら電話してないとの事。
間違いなく着信があるから「電話してますよ!」と伝えると「本当に?」と言われ、俺が「覚せい剤いってるんですか?」と聞いたら年明けにやったって言ってた。
覚せい剤いってると声で分かるんだよね。
二日酔いというかガラガラ声みたくなるから。
それから数週間後、刑務所にいる時連絡先交換した人のうちの1人と会う事になって、この時は愛知まで車で行った。
俺が覚せい剤やりてーなって言ったらやりたくなったら俺の部屋自由に使ってくれていいよ!って言ってくれて、俺っていつでもやろうと思えばやれるんだなぁと思った。
人間いつでもやれるんだと思うと案外ガマン出来たりすると思う。