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前回の記事の補足と言う形で、今回はお送りしたいと思います(^_^;)


◆実は、前線からは火力不足を指摘されていた◆

当初、P-51の武装は、米軍スタンダードのブローニングM2の12.7㍉航空機銃が4門でしたが、耐弾性が高いドイツ空軍機を仕留め切れない等、前線のパイロットから火力不足が多く指摘されていました。

それは、日本陸軍航空部隊の主力戦闘機、一式戦との対戦でも同様で、零戦とは異なって防弾装備を持つ一式戦を仕留め損なう等の事例も多く報告されました。

その火力不足の訴えを鑑みて、武装の12.7㍉機銃を2門増やし、計6門としたのですが、重量増加となり運動性能低下の弊害が生まれ、苦肉の策として、軽量な機体を好むパイロットには4門仕様を、火力を求めるパイロットには6門仕様を…と機体を選択出来る様にしました。

こんな事が可能なのも、米軍ならではてすね。


この、米軍スタンダードの機銃であるブローニングM2は、現代でも現役の優秀な物ですが、米軍の航空機…特に戦闘機が使い続けた事には理由が有ります。

大体は…『優秀な機銃である為』、もしくは『耐弾性が脆弱な日本軍機には、十分だった為』等と説明されていますが、実際は『使い続けるしかなかった』との事が本当の所でした。

その内に、機銃に関して記事を書こうとは思いますが、本当は米軍だって日本軍やドイツ空軍の様に、20㍉機銃を使いたかったんですよ。

しかし、ざっくり言ってしまえば、『使い物になる20㍉機銃の開発に難航していた』為、それ迄のM2を使い続けるしか無かったんですね☝️

そのM2も『信頼性が高い』と評価する向きも多いですが、航空機銃としては実は信頼性はあまり高くなく、装弾不良等の故障も多かったんです。

特に、高機動時には、Gに依って給弾が正しく行われず、格闘戦や急激な回避運動を行った場合には、故障しがちでした。

なので、その保険として多連装で装備していた理由も有ります。

『大量生産は、不良品の量も多い』…とのとおりでしょうか…

因みに、M2は、1門の重量が約28kgで、零戦が装備していた99式20㍉一号機銃の約25kgより重く、航空機銃としては重い部類に入ります。


◆涙滴型風防となった事での更なる弊害……◆

▲涙滴型風防となり、ファストバック型ではなくなったD型でしたが…

空気抵抗的に有利で、速度性能にも貢献していたファストバック型でしたが、前線のパイロットからの後方視界改善の要望を受け、D型となって涙滴型風防となりました。
それが、良い事ばかりでは無かった事は『その①』で記したとおりです。
その最たる弊害は、装備の追加も含めて重くなった事も影響した最高速度の低下でしたが、もう一つ、戦闘機としては問題となる弊害でした。
上の画像のとおり、初期のD型は、背びれとなるドーサルフィンが有りませんでした。
それが、機体の横滑り等の不安定さを生み、機銃の命中率や急降下時にも悪影響を及ぼしていました。
ざっくりと、『腰の座りが悪い』と言う所でしょうか☝️
新開発の機体や大幅に改良した機体等で、実際に現場で使われてみると、テスト時では判明しなかった不具合が指摘される…との事は、米国でも同様です。
▲ドーサルフィンが設けられたD型の改修型。

そこで、メーカーは直ぐに対応策を打ち出し、量産途中からドーサルフィンを追加します。
既に前線に出ていた機体に対しては、後付け出来るドーサルフィンをキットとして支給し、対策を施しました。
その辺りの対応は、さすが米国と言うべき所です。

◆暫定的な後方視界対策◆

▲矢印が指している物体は、バックミラーですね。

涙滴型風防となって、視界が良好なD型となる前の後方視界の対策は、バックミラーでした。
これで、ある程度は後方の視界を補う事が出来ましたが、太陽光を反射してしまって、敵機に発見され易くなってしまうマイナスの面も有りました。

さて…今回は、前回のP-51に関する記事の補足と言う形でお送りしてみましたので、短めで構成致しました。
米国絶対主義を前面に出し、褒められる事ばかりが目立つ当機に関して、その①と合わせて敢えてネガティヴな面から攻めてみました。
お付き合い、ありがとうございましたm(_ _)m

※今後、当記事は編集を含めて、内容を追加する可能性も有りますm(_ _)m