◎こちらは、かなり以前ペケッターに載せたものを、再構成したものとなります☝️

昔々…私が、まだあどけない(?)小中学生だった頃、飛行機物の戦争映画を観て、不思議に思った事が有りました。
まぁ、それは、色々と有る訳ですが、その中の一つが『ゴーグルについてでした🤔
日本陸海軍では、『飛行眼鏡(めがね)』や『航空眼鏡』と呼ばれていましたが、操縦席の全体を被うキャノピーではない時代の、前面だけの遮風版…つまりスクリーンだけの複葉機等の時代ならば分かるのですが、例えば零戦の様な立派な風防(キャノピー)が備えられた航空機では『ゴーグルなんて、必要ないのでは…?』と思ったりした訳です。
なのに、零戦を含めて、当時の米軍のパイロットも皆、ゴーグルを付けているのは、何故なのだろう…?
そんな疑問が有りました。
そこで、当時その答えを求めたのが、元零戦搭乗員の先生となりました☝️
結論としては、飛行帽と共に『必須アイテム』だったとの事でした。

で…何故に『必須アイテム』だったのかと言いますと、まずは離着陸時☝️
当時の多くの航空機の接地姿勢は、尾輪を有する後ろ下がりの三点姿勢。
その姿勢の状態ですと、ほぼ前方が見えないんですね。
なので、離陸する時は、座席(シート)を最も高い位置に調整し、操縦席から顔を横に突き出して前方を確認しながら、離陸位置までタキシングしたりする訳です。
そんな時、機体前部のプロペラがブンブンと廻っていますので、強烈なプロペラ後流や砂塵とかで、とても目なんか開けてはいられません😅
そんな状況の時に必要な訳です。


又、離陸滑走時の初期の段階でも、横から前方を覗き込む様にしつつも、横の景色の流れも参考にして、飛行機が直進しているかを確認、そして十分に速度が乗った時点で操縦桿を前に押して飛行機の尾部を上げて姿勢を水平にする訳ですが、この時に漸く前方が見える様になるので、そうなる迄ゴーグルは必要となるのです。

又、着陸時も前下方の視界は遮られてしまうので、離陸時と同様に風防を開け、顔を横へ突き出して前方を覗き込む様にして着陸進路を目視する際にも、ゴーグルは必要との事でした。

手順としては、完全に離陸が完了して脚を収めた後、風防を閉めて座席を通常位置迄まで戻す…と言う事でしたが、帰路に付く迄はゴーグルは掛けっぱなしだったそうです。
それには、幾つかの理由が有ります。

それはまず、『空戦中も、航空眼鏡は付けておけ』と小隊長の神野(仮名)飛曹長に言われた為でした。
つまり、空戦中に操縦席付近に被弾した際、破片から目を守る為と、最悪火災が発生した場合に、目を焼かれない様にとの理由だったそうです。 

早い話し、切削作業時に、目を守る為にゴーグルを掛ける理由と同じですね。

又、被弾して脱出し、落下傘降下する際にも必要との事でした。
その他には、風防の合せ込み悪い機体では、飛行中は隙間風がひどくて目が乾く…と、ドライアイ防止等にも重宝した様です☝️