始めに、この記事は、以前ペケッターへポストしたものを再編集した記事となります。

今後も、ペケッターで以前にポストして埋もれてしまっているものを投稿出来ればと考えておりますので、どうか宜しくお願い致しますm(_ _)m

さて…


零戦の後期型では、『推力式単排気管』と言う排気管が採用されております。

つまり、自動車等で言う所のマフラーなのですが、少々特殊な排気管…マフラーとなっております。

又、『ロケット式排気管』とも呼ばれていたりします。


特殊な排気管とは言え、自動車等の排気管(マフラー)と同様に、排気ガスを排出する役目に何ら変わりはありません。




とは言え、ややこしいのが『推力式』と言う所で、普通に考えますと、排気の噴射圧を、推力として利用している…と思えてしまう部分ですが、斯く言う私自身も、チビ助の頃は『ロケット式推力排気管スゲェ〜』と信じて疑わなかったものでした。

しかし、現実には排気の噴射圧などたかが知れてますので、ロケットやジェットの様な強力な推力なんて得られる筈もありません(^_^;)

ですが、この『推力式排気管』を装備すると、最高速度が30〜50km/hも向上してしまったりするのです。

その秘密は、紛らわしい『推力』との呼称の成果ではなく、空気抵抗の低減に貢献した結果です。

零戦は、速度自慢の戦闘機ではありませんが、それでも初期型であっても最高速度は500km/hは優に超えます。

そんな速度域になると、空気抵抗はとんでもなく大きなものとなり、機体の表面を流れる空気も、その機体の平滑さの善し悪し大きく影響され、つまり、有害な抵抗となります。

機体の表面の塗装の種類にも影響を受けるのが、空気抵抗なのですが…ならば、そんな抵抗となる空気の流れを、機体から剥がしてしまえば良い…との発想から、更なる高速化を狙って『推力式排気管』が航空機業界で生み出された訳です。

ざっくり言って、そんな働きをしているのが、『推力式排気管』なのです。


さて…その『推力式排気管』を、各種有る零戦の中で初めて採用したのは後期型の52型からだったのですが、52型が実戦配備された当初は、推力式排気管の生産が間に合わず、52型の生産初期型は、前型の22型と同様の集合排気管のままでした。

その後、生産が軌道に乗ると、生産初期型の52型も推力式排気管へ換装されました。











以上、上記のとおりに、推力式排気管の噴射圧に依って推力を得ている訳ではないのです。