夢で逢いましょう

ほんの一瞬だけど会社にいる夢を見て、彼も出て来た。
彼の出て来る夢を見たのはまだ４回目。
夢というものは大抵の場合おかしな点が必ずあって、
今までに見た夢の中で私と彼は現実よりもわずかに親密な関係だった。
だから目を覚ました瞬間は幸せな気分に浸ると同時に、
『やっぱり夢…当たり前か』と思って現実に引き戻される。

でも今日の夢に出て来た彼は、いつも通り。
絶対に座るはずのない席でパソコンを打ちまくるなんてところは
現実の彼には有り得ない設定だったけど、
忙しそうな彼に話しかけている私に素っ気ない返事を返す彼。
私は彼の態度に不満を覚えて、ちょっとスネながら自分の席に戻った。
覚えているのはここまで。

せつないのはどんなにつじつまの合わない設定でも
私が彼に片想いをしてることには変わりなく、
彼が結婚していることも現実と同じままだということ。
せっかく夢に出て来てくれるならもっと楽しい時間を過ごしたいけど、
会えないはずの週末に夢で会えただけでも幸せだと思うべき？