日本 | 映画と本と古町散策日記

映画と本と古町散策日記

古町倶楽部 レトロな町並み・ジャンクな建築/
映画と本 好きなもの集めてみました。

映画と本と古町散策日記

暑いですね。
ここは、アメリカ人 Alex Arthur Kerrーアレックス・カー氏の庵
『篪庵』chiioriの近くの徳島の山奥 祖谷の風景です。

彼に桃源郷と言わしめる日本の美しい土地です。

彼の著書、「美しき日本の残像」に感銘を受けていた私は
一度、ここを訪れたいと願い
車でひたすら走って、この別天地へたどり着きました。

ニュージーランドの高校生を2人乗せて、自宅から半日がかり
お客さんを山道でぐったりさせてしまいましたが
おかまいなしに、走らせてしまいました。

映画と本と古町散策日記




夏休みを利用して10日ほどの予定で日本にやって来た彼ら
東京 スカイツリー、ディズニーランド、 京都 金閣寺 清水寺
広島 原爆ドームと定番の日本を観光して来た彼らに
日本の原風景を見せておきたかったから
というのは口実かな、一度自分自身で 見ておきたかった。

少しタイミングを逃すと、日本の景色は
コンクリートや新建材むき出しの退屈で、みすぼらしい
風景に変貌することは
よくある事、

我が故郷
京都も
風情のない住宅や町並みが増え、日本のどこにでもある町並みに変貌し続けています。

多くのお寺自体が道を見失っているような
ベクトルを勘違いした観光改修がなされているのですから・・・
こんなに簡単に、新建材に国全体が覆われるなんて

日頃から いにしえの職人や材料の風格に変わる新建材などあり得ないと
感じている私には、悪夢のようです。侘び寂びなど風前の灯火です/

県外や海外のお客を連れて行きたい京都が、どんどん少なくなって来ました。
リサーチ無しに、数年ぶりにお気に入りの
いい具合に寂れたお寺へ案内したら、
あまりに真新しくでたらめに改修されていて
冷や汗をかく事も少なくありません。


美しき日本の残像 (朝日文庫)/朝日新聞社

¥714
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日本の里山の暮らし、自然に魅せられる海外の文化人が時々現れる。

古くは、黒姫に居を構える Clive Williams NicolーC・W・ニコル
最近では、NHKで放送されている 『猫のしっぽ カエルの手』の
Venetia Stanley-Smith ベニシア・スタンリー・スミス

そして彼 アレックス。

彼の著書は、日本人が自然について無頓着で
この美しき風景が、防災の名の下にコンクリートで覆われていく姿を
後に「犬と鬼」という言葉で表現した。

もし絵を描いてと言われたら
犬よりも鬼の方が、簡単。
そう感じる人の方が多いのでしょう。

それと日本の風景と何が関係あるのかって?
それは、ぜひ 一読を^^。」

身近なものについて
現代の日本人の無頓着ぶりを表現しています。

そして、海外の人に言われると
自国文化、時代遅れの様な暮らしの良さや
現代社会のついての批判も
素直に耳に入って来る日本人が多い事も
日本人の特徴かもしれません。

祖谷を訪れてみて


日本の三大秘境と呼ばれるこの地にたどり着くまでの道は
まさしく『犬と鬼』

彼のホームページにもあるように
ギリギリのタイミング
彼の手に渡ったように思います。

素晴らしい景観を、観光客の駐車場確保のために
切り崩しているのを見た時の落胆と怒りさえ覚えましたが

そこから篪庵は、まだ山道を一時間
かろうじて、浅はかな思想からは逃れて
存在しているようで
ホッと胸をなで下ろした旅になりました。

ほんとセーフと言った感じ。
5年後は・・・
恐ろしくて来られないかも・・・。

みなさん、訪れるなら
今ですよ~!

観光用に作られた、針簿手の景色や建物など
価値がないものだと、早く気付いて。

そう願わずにはいられない。




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