僕は今のこの工房で2008年から勤めています。その当時はまだ"おじさん"と呼ばれる歳ではありませんでしたが、いつの間にか月日が経ち、すっかりおじさんに成り上がってしまいました。
そして今工房には、19歳のイタリア人の女の子が働きに来ています。
僕とは親子ほど歳が離れています。
小さい工房なので新入社員が毎年入ってくるような所でもなく、結構な重労働なので女性が好き好んで働きに来るような場所でもありません。
なので、女性に仕事を教える経験がないままおじさんになってしまったので、自分より若い女子にどう接していいかわかりません。
とりあえず、仕事のこと以外で話しかけたらセクハラで訴えられるかもしれないので、ビクビクしながら接しています。
そんなある日、工房に行く前にパン屋に行くと、その子が僕の前でパンを買っていたんです。
そのパン屋は工房まで歩いて5分ぐらいの距離ですが 、朝の時間に余裕の無いタイミングだったので、「工房まで乗っけてくからちょっと待ってな。でも、もし歩いて行きたいんだったら歩いてってもいいけど」というふうに聞きました。
そしたら彼女は
「歩いて行けるから大丈夫。ありがとう」と言ったので、僕もそれ以上しつこく言わず、「じゃあまた後でね」と言ってそこで別れました。
それで僕は彼女の横を通り過ぎて工房に行きました。アーペ(三輪バイク)で。
この事をなんとなく家族に話したんですけど 、長男(13歳)がすごい勢いで「恥ずかしいな~そんなの嫌に決まってんじゃん!そんなこと聞くのがおかしいよ」って言うんです。
僕は続けて聞いてみたんです。
「アーペに乗るのが恥ずかしいのか、それともおじさんと乗るのが恥ずかしいのか?」
すると長男は言いました。
「どっちもだよ!」
まあ、そうですよね。
ずば抜けた鈍感力を持つ僕も薄々感づいてはいましたよ。
野外イベントの仮設トイレみたいな空間におじさんと膝をくっつけながら閉じ込められると思ったら、僕ですら嫌ですからね。
まぁ、同じところに行くのに何も言わないのも不自然ですから。
これで良かったんです。
おじさんもそれなりに気を遣ってるんですよ。
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