ラナコラムは「小さなおうちラナ・コローレ」の会員家族に配布しているお手紙です
個を育てるモンテッソーリの目線を大切にしながら、日々想ったことなどをつらつら書いています。
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ラナコラム⑰『自由と約束事の話』2022.11
今回は【自由と約束事】話。
前回の自分で選ぶお話では、大人の望む方向に導くわけではないとお伝えしました。
「子どもの進みたい方向だけで大丈夫かしら…?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、子どもたちは自由に選択している中で好き勝手にしているわけではありません
その自由には規律があります。自由にするための約束事です
モンテッソーリ教育でいう【自由】とは、何を選ぶか。どこで活動するか。いつまでやるか。を自分で決めることができます。
しかし、ひとつの社会(一緒に活動する人がいるお部屋)の中で自由にするためには、相手を尊重し、想い合う必要があります
(どこの机でやってもいいよみんなやりたいことは違うね)
具体的な約束事としては…
『終わった後は、整えて元の場所に戻すこと』
次の人がその手仕事がどこにあったのか把握できて、自分で最初から最後までできるようにです
(同じシールの棚に戻しますひとりで片付けができます)
また『誰かがやっていたら終わるまで待つこと』
自分がやりたいだけできるということは相手にもその自由があることを示します
(終わるの待ってるね)
そして『やり直し方を知ること』
間違えたり失敗してしまった時は、自分でやり直していきます
(こぼしちゃったけど、掃除すればだいじょうぶだよ)
まだ自分で精一杯のミニコロちゃんたちは、手仕事の場所を渡り歩き、おうちの方が元に戻すお手伝いをしています。誰かがやっているものが気になって手を出してしまうこともありますが、お互い嫌がらない時は一緒に活動する時もありますね。
少しずつ(いや!)という意思表示ができるようになってくると思いますが、集中も短いので誰かが手を出してもさほど気にならないようです
やり直し方を知ることについては、ミニコロのおうちの方は目にしていると思いますが、色水のあけ移しでこぼしてしまった時、子どもたちは一生懸命に机拭きのタオルで拭いてくれますね
繰り返し「こぼれちゃったね。ふきふきしようね」と見せて伝えてきたからです。
こぼしてしまって時どうするかを知っている子どもたちは1歳の子でもちゃんと整えることができるのです
次の人のため…という意識はなくとも自然と整え方を知っていきます。大人がくくる必要はなくなってくるのです
規律は教え込むのではありません
繰り返し伝え、自分で考えられるように言葉を変えて関わり時間をかけて自分のものにしていきます。
この過程は外の社会だけでなく家族というコミュニティの中でも、伝えていくことが大切だと私は思っています
大人子どもというくくりではなく、相手を想うために伝えられること、小さいからできないではなくひとりの人として伝えられることはあるかもしれませんね。
そうして、相手を尊重するための約束事を知った子どもたちは、自分も尊重されていること知っていきます。自分がやりたいだけやってその事柄が難なくできるようになると、周りの子を助けたり教えてくれるようになります。
実際に折り紙を同い年の女の子に教えてくれた子がいました。
ひとつの工程毎にやり方を見せ、相手ができるまで見守り、できたら次へ進む。まさに小さな観察者であり、導く人
ふたりでできあがった時はそれぞれに違う『できた!』の想いがありました。年少の2人の間にある社会の中でお互いを想う気持ちが見えたのです。そのやりとりによってお互いの信頼関係は高まり、ラナコロは楽しい場所!!という想いが増したようです。
このやりとりの中には大きな学びがありますね。自分ができるようになったことは自信につながり、もう少し難しいものもできるかもしれない。やってみたい!と挑戦していく力になるのです。子どもたちの成長は螺旋階段のように〔やりたい〕→〔できた〕→〔もう少し難しいものをやりたい〕と上へ向かって成長していくと言われています。
では、その〔やりたい〕事柄は偏らないのでしょうか
親の目線で見ると様々なことをまんべんなく選べるようになってほしい、文字とか数字に興味を持ってほしいなど様々な想いもあるでしょう。その選ぶ事柄はモンテッソーリ教育の中では【敏感期】と言われる時期に大きく関係しています。どんなことを選びたいと思っているのか、子どもが選ぶことを信じて見守るための【敏感期】については次回お話ししますね
次号へ続く
れなねぇ
幕張にて、モンテッソーリ教育を軸とした教室【小さなおうちラナ・コローレ】を
主宰しております
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