人の心を動かすのは、誠実さなのかも

しれない。


落ち葉を掃く竹箒の音で目を覚ますと

平山の一日が始まる。

東京のトイレ清掃員として働く平山の

一日はすべてルーティンに基づいて

行われる。


仕事のあとは銭湯に行き、馴染みの

飲み屋で一杯。

本を読みながら寝落ちする。

休みの日は箒で部屋の掃除をして

古本屋で本を一冊買い、

小料理屋で夜を過ごす。


まあ、その他にも細々と。


淡々と、でも丁寧に仕事をこなす日々。

整えられた部屋。

無駄も迷いもなくて清々しい。


そんな平山のもとを訪れる姪。


何度も画面いっぱいに映る木漏れ日。

「木漏れ日」という言葉は日本語独自の

もので、海外にはそれにあたる単語は

存在しないのだそう。

光を浴びて輝く葉もあり

陰になる葉もあり

一瞬で入れ替わる。


多くのものを捨ててきたのだろう。

いろいろな思い、複雑な思いを抱えながら

思考錯誤しながら

今の生活にたどり着いた。

だからこその『PERFECT DAYS』


前回紹介した『ストーナー』といい、

今回の映画といい、今年は出だしが良い。


家族には何も起こらない映画の何が

面白いのかと言われたが

わかってないな〜

毎日過ごす日々の積み重ねが人生じゃないと

いうのは格好つけすぎかな。