この時期のお楽しみニコニコ





『チボー家の人々』

ロジェ・マルタン・デュ・ガール

山内義雄 訳

白水社


まだまだ終わらない

『チボー家の人々』


ただ今10巻目を読み終えたところ


いよいよ戦争が始まる

国や人々の様々な情報や思惑が交錯する


こんな状況でひとつの判断をすることが

どれほど困難だったかと思う

戦争反対という意思表示さえ

かえって戦争への引き金となりうるのだ


ジャックの兄アントワーヌは

国民として多くのものを与えられてきた

以上、戦争に行くのは義務だと言う

もちろん戦争に賛成なわけではない

選択肢のない受諾だ


優秀な医師であるアントワーヌは

親の遺産を使って自宅を診察室と

研究室に変えたばかり

悔しくないはずがない


そしてジャック

子どもの頃から慕っていた

ジェンニーとやっと想いが通じたというのに

ふたりはこれから、どのような日々を

過ごすことになるのだろう

ジャックは何度か警察に呼び止められて

その度にどきどきする


各国の社会主義のリーダーたちは

どうしたのだ

国際会議で戦争反対、今こそ労働者が

立ち上がる時だと声高らかに

言っていたのではなかったか


そう思いながら読んでいたら

フランスとドイツのリーダーは

取り締まりが厳しくなる中

まだ諦めていなかった

フランスのリーダー、ジョーレスは

最期まで戦争反対を貫く


部屋に飾った花は

明日踏み潰されるのかもしれない…


あと3巻

今から11巻を読み始めますニコニコ