満開の菜の花



「本は百冊あればいい。この読書法と筆

一本。35年間、書いてきた」




著者、近藤康太郎さんは朝日新聞編集

委員・天草支局長であり、作家、

評論家、百姓、猟師、プロのライターや

記者を対象とした私塾長でもあります。


著者が目指すのは『百冊読書家』

百冊だけ読めばいいのではなく、

たくさん手に取った本から自分にとっての

聖典ともいえる百冊を本棚に

揃えるのです。


本書は百冊を選ぶための方法論が

書かれています。


ちなみにその百冊は読み終えた本では

なく、読みたいと思っている本でもありニコニコ


目次を見ると各章は2つの節で構成され

それぞれが対立するような方法が

書かれています。


でも読んでいると、それは矛盾や

どちらかの方法を選択というより

その方法論を深めていて

各章の最後にある文章が

なかなか面白いです。


著者は本に線を引きながら読み

その中でも重要なページは折り

さらにここぞと思った文章は

ノートに抜き書きをすすめています。

そしてそのノートを何回も読み直し

最終的に抜き書きしたノート百冊が

本棚ではなく、頭の中にあるのが

理想なのだとか。


私の本棚には未読の本も多くて選べない真顔

どれを残すのかと聞かれたら

まず一冊は折に触れてページをめくる

『長田弘全詩集』でしょうか。


自分への誕生日プレゼントとして

迷いに迷って買いましたニコニコ


長田弘さんが書かれた詩は

どの詩にも、心に響く言葉があります。

ちょっとノートには書ききれないな爆笑

でも、それを抜き書きして自分の

ものにできたら、素晴らしいこと。


「読書とは、問いを獲得するための

冒険だ。終着駅ではない。始発駅に

立つために、本は読む」


「写メで撮って、エバーノートに貼って

おきなよ、おじさん」

「わたしは、そう思わないんだな。時代

遅れじゃない。うつろう時代から、

うわきな世間から、ずれていく。

そこがいい。本を読むのは、結局、

ずれるためだ。世界を疑う。ばっくれる。

生まれた時代、家庭の環境なんか、

関係ねえ。過去の自分から、自由になる。

本気になる。真剣でやる。人には冷笑

させておけ。自分の可能性を縛らない。

ズレてる方がいい」


著者も、あとがきで「実用書を目指した

つもりだったが、実用からだんだん

それていく」と書かれていますが

読書術にとどまらない一冊でした。


最後にはお決まりの著者による選書が

ありましたけど、もう私におすすめして

いただかなくても大丈夫。

もうすでに読みたい本とブロ友さんに

教えていただいた本で手一杯なのでニコニコ