毎年咲いてくれる私の好きな花



作者チャールズ・ディケンズの

自伝的小説と言われている

『デイヴィッド・コパフィールド』




『デイヴィッド・コパフィールド』

チャールズ・ディケンズ

訳 中野好夫

新潮文庫

平成22年12月25日 24刷


チャールズ・ディケンズを読むなら

『デイヴィッド・コパフィールド』が

面白いと以前の記事のコメントで

教えていただいたので

読んでみましたニコニコ


小説家となった主人公デイヴィッドが

人生を振り返りながら書いています。


父親の顔を知らないデイヴィッドは

母親の愛情を一身に受けて育つが

ある日母親は再婚をする。

この継父がとんでもなく最低な男で

デイヴィッドは幼くして荒波の中に

放り込まれてしまう。


ここから読者はハラハラするばかり。


文庫で4巻。一冊450ページ以上あるので

なかなかのボリュームではありますが

読む手が止まりませんでした。


とにかく面白くて、登場する人物は

魅力的は人ばかり。ちょっと困ってしまう

人もいますが、それも含めてニコニコ


そしてこの本に書かれているのは『愛』

男女の愛はもちろんのこと

家族愛(たとえ血がつながっていなくても)

友情


誤った方向に進んでしまう者もあり

胸が締め付けられるような結果に

なるのですが、そこにもあるのは

実の娘ではないエミリーを思う

漁師ペゴティーの崇高ともいえる「愛情」

今思えば、この家族が住んでいる家に

常に吹きつける強い風は、このあとの家族の

未来を暗示したものでしたね。


起承転結でいえば「転」ばかり

続きますが、残り少ないページを見て

油断していたら、また予想外のことが爆笑


最後は切なさと温かいものが胸にこみ上げる

のを感じながらのラスト…


小説を読んだというより、まるで映画を

観ていたような気持ちになりました。


訳をしている中野好夫はあとがきで

チャールズ・ディケンズのことをあまり

教養のない人間のように書いていますが

こんなに人を引き込む小説も

なかなかないのではないかと思います。


を読んだのに、結局「面白かった」としか

書けなくて…

でもトーマス・C・フォスター教授も

おっしゃってました。

「楽しむことに徹していただきたい」と。


もし興味を持たれましたら、是非あらすじを

調べることなく読むことをおすすめします。

(読書本の好きな私がいうのもなんですが…)