朝の散歩にて





『プルーストを読む生活』

柿内正午

エイチアンドエスカンパニー(H.A.B)

本書はZINE版を底本とし、加筆修正を加え

合本とした。


うっかりプルースト『失われた時を求めて』

ちくま文庫版全10巻セットを買って

しまった著者。

これはプルーストだけでなく、並行して

読まれた本たちについても書かれた1年間の

読書日記です。


この本は新聞の新刊案内で知り

面白そうだなと思っていたら

ブロ友yuchan1720-2020さんから

偶然にも私の好きそうな本として

教えていただいたものニコニコ


かなりの厚さで、気が向いたときに

手に取って少しずつ楽しんでいたのですが、

いつもの本屋さんに著者である

柿内さんがいらっしゃると聞き

是非感想をお伝えしたいという

(ありがた迷惑かもしれない)思いで

読み切りました


数多くの本の引用が書かれているのですが

中でもプルーストは詩的で静かな光を

感じさせる文章でした。

(ストーリーのうだうだ感には柿内さんも

悩まされていましたが)

柿内さんの日々や考えていること、保坂

和志さんなどの本についての感想も興味深く

私が読んだ本や持っている本も何冊か

登場して、ちょっと嬉しいニコニコ


柿内さんがプルーストを読み終えると

同時に、私も寂しさを感じながら読了。

柿内さんは習慣となっていたプルーストを

失い、戸惑いながら次の一冊に手を

伸ばします。


10冊で6,000ページある

『失われた時を求めて』

毎日少しずつ読んだら、1年で終わるのだと

いう(他の方の経験なのに)そのことが

まるで私も一緒に読んでいたかのような

なんだか不思議な感覚として

私の中にすうっと入ってきました。


実際にお会いした柿内さんは

穏やかで優しい方。

私の拙い感想もちゃんと聞いて下さいました。


「読書と、生活と、脱線の記録。いつも

リュックにプルースト。毎日読んで、毎日

書く。それだけを決めて、ほとんど

プルーストではない本ばかり引用し、

役にも立たなければ、読んだ端から忘れて

いくので物知りにもならない、ただ

嬉しさだけがある読書日記」


そして日記はまだまだ続きますニコニコ




実はお会いするのは2回目。

これから書かれる本も楽しみですにっこり