咲いてましたニコニコ





鮮やかでありながら、派手ではない深みの

ある青。本屋のなかでもひときわ目を惹く

表紙でした。


1922年に生まれた柚木沙弥郎さんは

染色家。人間国宝である芹沢銈介に師事し

染色以外にも版画、絵本、切り絵など

さまざまな分野で活躍されています。


この本は編集者、熱田千鶴さんが今まで

紹介していない“こぼれたことば”を

拾い集め、再構成したもの。


柚木沙弥郎さんのことばは柔らかく、

飄々とされています。


ご自身のことを

『変身をくりかえしそのたびに肩の力が

抜けてゆき幸せの手ごたえを感じながら

仕事を楽しんでいる今を生きる人』と

おっしゃってます。


本の中には作品はもちろん、海外を

旅したときのスケッチや部屋に

飾られている世界の可愛らしいクラフトや

おもちゃも紹介されていました。


柚木沙弥郎さんの作り出す色は、日本の

伝統を感じさせるものですが

構図は大胆。

楽しくて、何度見ても飽きることが

ありません。


また本を買うことが好きな柚木沙弥郎さん。

家の中は本だらけ。でもじっくり

読むのではなく、ぱらぱらとめくって

はっとする言葉に出会うことが

面白いのだとか。本は線を引いたり、

角を折ったりして自分のものにしていく。

本は使えば使うほど馴染んでいくひとつの

道具だといいます。


本のそういう使い方に憧れるけど

私は度胸がなくて付箋どまり真顔

以前図書室の本にも付箋を

貼ってしまい、注意されてしまいました驚き


『どんな時代も慌てないで時代に

寄り添って、世の中のいろんな現象を

咀嚼して吐き出すこと。世の中が

どうなろうと、現実から目をそらさず、

身の回りから自分が楽しいと思えることを

発見すること。それを形にして発信する。

僕はたまたまアートだったけれども、

その対象はなんだっていい。それに、

いつからはじめたっていいんだよ。

僕だって物心ついたのは80歳に

なってからなんだから』


心の豊かさとは何か、アートとは何か

生活の質を上げるとは

そして生きていくこととは


改めて自分の生活を見直す一冊と

なりました。