暖かな日差しの中で…






自分を守る


今は政治でも経営でも

すべて力ずくでやろうとする。

パワー・アップするのがよい、と思っている。

しかしね、

タオに深くつながる人は

こう警告するだろう

強い力で押しまくる時、かならず

しっぺ返しかくる。

戦争で荒した後には、

いら草ばかり生える。大軍が

占領した国土には飢饉が起こる。


戦うことなんて

ほんとに自分を守る時だけでいい。

暴力に反抗して命を守る時だけでいい。

だからタオの人は

自分を守る力を誇らない。

なにかに勝っても驕らない。

争うのは

止むをえずする時だけのことだ。そして

目的をとげたって得意にはならない。


よく見てごらん、

暴力や力ずくでしたことなんて

みんな長つづきしないじゃないか。


『タオ』

加島祥造 筑摩書房


酔いどれしらふさんに教えていただいた本。

老子は2500年前の中国にいたと

されている人物。

彼の思想はヨーロッパやアメリカで

Zen(禅)やTao(老子)として

知識人の間で深く受け入れられて

いるのだそう。


この本は英訳されたものを加島祥造さんが

自由な口語訳によってイメージを

膨らませた文章となっています。

そのままの訳では、全然わかりません真顔

孔子のようにわかりやすい教えではなく

もっと豊かで広くて、とりとめのないもの。

理解ではなく、共感するもの。


頭だけで考えるのではなく、万物の元となる

道(タオ)につながった生き方をすれば

人は幸せになれるのだという。

別にスピリチュアルでもなく、自然や人に

備わっている本来の力をもっと信じようと

いうことなのだと思います。


この本を読むたびに、心がほぐれて

呼吸が深くなるのがわかります。


欲も不安も傲慢も、考えすぎる頭から。


ずっと戦争を繰り返している私たち。

そして自分たちの大切なものを守るために

武器をとったウクライナ。

1日も早くこの戦争が終わることを

願っています。