lumière。13 | 潤いと和み。

潤いと和み。

世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
末っ子溺愛中です♥

末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡






妄想blです。













お嫌いな方はスルーで。














急に声を掛けられて、ビックリした。

そして、その声の人が櫻井さんだって事に、更に驚いた。


「え?櫻井さん?!」


「おーやっぱ松本だー。何してんの?」


櫻井さんの傍らには、可愛らしい女の子がいて

それを見て、悟った。


「櫻井さんこそ...デートですか?」


揶揄うみたいに、なるべく軽い感じでそう聞いた。


「ははっ。ただの荷物持ちだよ。」


少しだけ目尻が下がる、いつも見る笑顔。

そのはずなのに、隣に女の子がいるってだけで、何となく違って見える。


彼女、なんだろうか。


だけど、あんまり深く聞かない方がいいのかもしれない。

プライベートを詮索されるのは気持ちいいものじゃないだろうし。


櫻井さんの笑顔に感じる違和感を、そんな理由で片付けようとした。



「で、松本は?その子は...親戚の子?」


櫻井さんの視線の先には二宮くん。

どんな関係だって言えばいいのか、一瞬言葉に詰まってしまう。



「いや、違います。えっと...友達です。最近仲良くなって、今日は映画見に来たんです。」


「あー、この前読んでた本のヤツか!?」


二宮くんを友達だと言ったけど。

そうカテゴライズするには、一般的に言えばきっと俺たちは年が離れ過ぎているだろう。

でも、どんな言葉で説明すればいいか、俺にはわからなかった。


そして、そう思うのと同時に、ほんの少しの後退った気配がした。

それが隣に立つ二宮くんの居心地の悪さのようにも感じた。


「櫻井さんもデート楽しんでくださいね。じゃあ。」


そう無難に返して、櫻井さんと別れた。





「さっき、ビックリしたよね?ごめんね。」


車に乗り込んでエンジンを掛け、駐車場から出る車の列に流れ込む。

隣に座る二宮くんは無言のまま。

さっきの気まずさを引き摺ってるんだろう。


「松本さんが謝る事ないです。てか、オレの方こそすみません。」


どうして君が謝るの?

何もしていないのに。


「さっきの人ね、会社の先輩なんだ。結構仲良くしてる人。」


「そうなんだ...。」


「俺とは違う部署なんだけど、すごく仕事が出来て、周りにも気を配れて。ある意味憧れて、尊敬出来る先輩なんだ。」


「そんな人に、オレの事友達とか言って...良かったんですか?」



そうか。

やっぱり君は、それを気にしていたんだ。

一瞬だけ、二宮くんとの関係を口にするのに躊躇ってしまった。

それを、この子は感じ取っていたんだ。


「おかしいかな?俺は、二宮くんを友達だと思ってるんだけど。」


フォローしたいって気持ちもあった。

でも、それ以上に、二人でいる時間が楽しくて、図書館の前のベンチで並んで座って他愛のない事を話してる時間が居心地が良くて、自分でも驚くくらいこの子と過ごす時間を気に入ってるから、それだけは伝えたかった。


「変に思われないといいけど...。」


「周りがどう思っても、別にいいんじゃない?

まぁ、俺は友達だと思ってるけど、二宮くんが違いますって思うならそれで別にいいし。

自分次第じゃない?」


「松本さんは、オトナですね。」


二宮くんのその言葉に、なんだそれって笑って返した。


きっと。

君が思っているほどには、大人はオトナじゃないんだよ。

そう言いたかったけど、止めた。

自分が高校生だった頃、きっとこの子と同じように思ってた。

実際大人と言える年齢になって、初めて分かる事もあるから。


少なくとも、俺にとって君は、いくら尊敬してる先輩の前でも「親戚の子」なんて適当な呼び方をするような相手ではない。

まだ上手く名前を付けられないでいるけど、それでも特別な存在ではあるんだ。


自分の中で、そんな気持ちが芽生えている事を自覚した。