lumière。 11 | 潤いと和み。

潤いと和み。

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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。














お嫌いな方はスルーで。















松本さんに本を渡したその週末、映画が公開された。

すごく気になる...

SNSにはきっと、感想とかネタバレとかが上がってるような気がして、何となくスマホの画面の上で指が躊躇ってしまう。


一緒に見たいから、絶対ネタバレは見たくない。

いや、原作読んでるんだから、ネタバレもクソもないんだけど。

それでも、感想とか、感動とか、余韻とか。

そうゆうものを、松本さんと一緒に感じたかった。

映画が良くても悪くても、それを松本さんと共有したかった。


少し時間ちょうだいって言われてたけど、松本さんから連絡が来るのが待ち遠しくて、無駄にメッセージの画面を眺めてしまう。


そうして週末をやり過ごして、水曜日。

ずっと待っていたメッセージが届いた!


『お待たせしました。読了。

今週末、見に行く?』


その文字に、思わず右手を握りしめた。

オッシャ!って、ガッツポーズみたいに。


『行きます!』


答えはもう決まってる。


オレが即答したからか、その後の待ち合わせの場所とか時間とかはすんなりと決まって

後は週末を待つだけになった。




待ち遠しかった週末になって、

約束の場所に向かう。

最初はワクワクしてた。

だけど、今日までの間そのワクワクに、少しづつ不安が混じっていた。


オレ、何着ていけばいい?



友達と遊ぶ時と同じ、着慣れたTシャツは...


ダメだ、きっと子供っぽ過ぎる。


松本さんと出かける為に新しい洋服を買うっていうのも、何だか気合いが入ってるっぽくて

ちょっと恥ずかしくて。



隣に並んで、あんまり不自然になりたくない。



結局、選んだ服はモノトーンのものになった。

モノトーンって言えば聞こえはいいけど、まぁ地味な感じ。


図書館で会う松本さんの格好を思い出しながら、この格好で大丈夫かなって心配になりつつ

約束の時間よりも少し早く待ち合わせの場所に着いた。


それなりの人混みの中で、周りを見渡す。


きっと、すぐに見つけられる。


そんな確信はあった。



すれ違う人はみんな、誰かと一緒にいる。

そんな中、壁に持たれるみたいに立って

真っ直ぐにこっちを見てる松本さんと目が合った。


...いた。

本当に、いた!


「松本さん!」


思わず名前を呼んでしまったのは、やっぱりほんの少しだけ不安もあったからなのかな。

改めて見ると、いつもの図書館で会う時とそう変わりない格好で、オレの声に柔らかく笑いかけてくれて。

それだけで、何だか安心できた。





映画のチケット代は、結局松本さんに奢ってもらう形になってしまった。

そうゆうつもりはなくて、ちゃんと払うつもりだったのに。


サラッと。


クレジットカードで精算してしまって、取り出した財布を開ける隙がなかった。


こうゆうのを、スマートっていうんだろうな。

普通のデートの時も、この人はこんな感じなのかな...。

思わずそんな事を考えてしまう。

でも、いつもジュースとか奢ってもらってるし、今日はちゃんと小遣いも持ってきてるんだし。


...オレ、女の子じゃないし。


だから、



「...じゃあ、せめて飲み物はオレが出します!松本さん、何飲みますか?!」


松本さんは、少しだけ困ったように笑ってた。

だけど、ココは譲りたくない。





松本さんの手に握られたアイスコーヒー。

オレの手には炭酸ジュース。

いつもの図書館と同じものだけど、いつもより何だかちょっとだけ嬉しい。


一緒に、映画を見れる。

同じものを共有出来る。


隣に、並んでいる。


それがきっと、ちょっとだけ嬉しい理由なんだろうなって思う。




入場を知らせるアナウンスが聞こえて列に並んで、映画への期待でワクワクした。