妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
「花火。」の二人です♡
それはまるで、視界の全てを薄桃色に染めてしまうような光景だった。
風に舞う、桜の花びら。
満開を過ぎて、ほんの少しの風でさえ花びらが散っていく。
そして、風に乗って空を舞うように流れていく。
「懐かしい...」
思わず声に出してしまうくらい圧巻の桜吹雪がくすぐったのは
あの春の日の記憶。
そして、あの日改めて心に決めた思い。
またこの季節を迎えたけど、この景色を見ると、鮮明に思い出す。
「すごいね。今年は入学式まで保ったね。」
隣を歩くかずの言葉が、いつもより柔らかく聞こえた。
「俺らの時は散っちゃってたもんな。」
入学式まであと二日に迫ったところで、春一番って言われる強風と雨で、俺らの入学式の時は桜は完全に散ってしまっていた。
そして、あの頃の俺も桜と同じような状況だった。
志望する高校に受かったんだから、本当なら新しい環境に期待とか楽しみとか、色々な思いがあるのが当たり前なのに、あの頃の俺は何をしても、本当に心から笑えていたと言える自信は、正直ない。
でも、そんなのも今なら笑って話せるくらいの思い出だ。
だって、かずに出会えたから。
今が幸せだから、あの頃を「懐かしい」って思えるのかな。
幸せだって思える記憶で上書きされたから、あの頃を「懐かしい」って思えるのかな。
まぁ、どっちだっていいんだけど。
隣でかずが笑ってくれるなら。
そんなかずの笑顔を見れて、幸せだなって思えるなら。
どっちだっていい。
あの日、桜の下で感じたかずへの思いは
今だってちゃんと大事なトコにある。
あの頃よりも、ずっと強く、ちゃんとココにある。
「新学期、楽しみだね。」
「同じクラスかな?」
「どうだろうね?まぁ、違ってもいいけどね。」
そう言って笑ったかず。
それって、クラスが違っても俺らは変わらないって意味だよな?
桜の花びらが舞う。
視界を薄桃色に変えてくれるくらいの花吹雪。
あの日とよく似た景色だけど、
だからこそ、あの日よりもほんの少し大人になったような気がした。
おしまい。
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お久しぶりでございます。
先日、無事に入学式を終えました。
何だかんだとバタバタしておりまして、
頂いたお手紙のお返事も出せないままになってしまいました。
日々を過ごす中、何気ない事で
うちのお部屋の二人を思い出してくださって
本当に嬉しい限りです。
そんな、感謝の思いも込めまして
久しぶりに「花火。」の二人を引っ張り出してみました(*´ω`*)
https://ameblo.jp/na-ju830/entry-12354235842.html
このお話から、約一年後ってとこですね。
まだまだ制限のある日々ではありますが
新しい環境の中に一歩を踏み出した方への
僅かばかりではありますが
エールになれば幸いです。
いつか、笑って「懐かしい」って言える日がくるから。
まだ不安定な気温が続きますが
どうか皆様ご自愛ください。
なじゅ。