lumière 1 | 潤いと和み。

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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。






お嫌いな方はスルーで。






side  J





車に乗り込んでアクセルを踏み
最近気に入って通っている場所に向かって車を走らせる。

ドライブというには少し物足りない距離を走って着いたのは、市営図書館だ。

20代も半分に差し掛かかり、昔のように派手に遊ぶ事もなくなった。

その代わり、というには少し地味だけれど、最近はこの図書館で週末を過ごす事が増えた。


大きな窓から差し込む日差しのお陰か、
館内は明るく開放感もある。

そして、図書館特有の静けさ。

全くの無音なわけではない。
耳を澄ましてみれば、雑誌のページを捲る音や、人が歩いて空気が動く音がする。
その何かしらの音が溶けた空間。

それが逆に心地よい。





さて、今日は何を読もうか。

気に入った作家のものは出来れば全て読破したい。
ゆっくりと、なるべく音を立てずに歩いて
目当ての場所を目指した。





高い書棚の角を曲がると、一人の小柄な少年が手を伸ばして本を取ろうとしている。


「ん...くっ!」


右手には既に数冊の本を抱えて、
それを落とさないようにしながらも
伸ばした左手の指先に本の背表紙を引っ掛け
取り出そうとしているのに
なかなかその本は動かないのだろう、眉間に皺を寄せて手を伸ばし、つま先立ちをする。

その姿が何だか可愛くて、つい手が伸びた。
俺にとっては特別高いわけじゃない棚から、その一冊を抜き取る。


「これでいいの?」


差し出した本と、俺の顔を見て
少年は少し恥ずかしそうに


「あ...りがとうございます。」


そう、小さく礼を言って、本を受け取った。


「なかなか大人っぽいの読むんだね。」


確か賞を獲ったその本はベストセラーになって映画化されたとワイドショーで取り上げられていた記憶がある。
内容は、確かサスペンスだったような。

目の前の少年とその本があまりにも結びつかなくてつい、そんな言葉が洩れた。
そんな俺の言葉に反応するように、一瞬だけ目を合わせた少年はほんの少し顔を硬くして、だけどすぐに
ペコリと頭を下げて俺の脇を通り抜けて行った。


...怒らせたかな?

つい口を突いて出た言葉。
深い意味はないけど、それを弁解する事はもう出来ない。
ほんの一瞬の出会い。
だからこそ、その子の事が強く印象に残った。