妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
誰もいないから、とりあえずリビングに通して
冷蔵庫から取り出したジュースをグラスに注ぐ。
「ん。どうぞ。」
「ありがと。」
お互いぶっきらぼうな声。
ソファに座るかずの隣に座るのも何か違う気がして、俺はラグの上に座る。
グラスに口を付けて、一口ゴクンと飲んで。
何から話したらいいのか、頭を整理する。
「潤くん、何で返事くんないの?」
先に口を開いたのはかず。
「返事はした。行かないって。」
「だから!その後!!
既読にもなんないし・・・
・・・ちゃんとさ、怒ったなら怒ったって言ってよ・・・。」
どんどん小さくなるかずの声。
あのメッセージをどんな気持ちで送ったのか想像した時、思い描いたかずの表情は目の前のかずの顔と同じだった。
「だって、かずが・・・。」
「オレが、なに?」
「ちょっと無神経じゃね?デリカシーっていうの?無くない?!」
「デリカシー?何で?!何が?!」
「何でって・・・何がって・・・っ!!」
ここまで言ってるのに、そこまで言わないと伝わらないのかって思って
イライラする。
イライラして、ガン!って頭に血が上る。
「俺、かずがチョコ貰ってたの知らねぇもん!!
お返し準備するような特別な相手って事だろ?!
そんな買い物に、俺が、喜んで付き合うと思ってんの?!」
言いながら、何かすんげぇガキだなぁって思ってしまう。
だけど!
嫌なもんは、嫌なんだ!!
俺の知らない特別な相手がいる事も
その相手に迷いながらお返しを選ぶかずも。
こんな事くらいでモヤモヤしちゃう自分自身も。
嫌なものは、嫌だ!!
「潤くん、目の前で見てたじゃん。
チョコ貰った時、一緒にいたよ?」
「え?」
かずの答えにビックリして、思わず間の抜けた声が出る。
それを聞いたかずも、ちょっとビックリしたみたいな、変な顔してる。
「特別な相手に決まってる。
だって、潤くんのお姉ちゃんへのお返しだもん。」
「・・・え?」
「だから、最後まで話聞けって言ったじゃん。」
はぁ・・・ってため息をついて、腕組みしながら唇を尖らせたかずの言葉は、アツくなった俺を覚ますには
充分過ぎるものだった。