妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
『明日、じゅんくんひま?』
課題も済ませて、風呂も済ませて。
ベッドでゴロゴロしながら
いつもと変わらないかずとのメッセージのやり取りの中で送られた文字。
明日から二日間、入試の関係で学校が休みになる。
だから、ホントは俺から誘うつもりでいたんだ。
だから、返事はもう決まってる。
『 もちろん、ひまだよー!』
イェーイって感じのスタンプも一緒に返信する。
『明日、買い物付き合ってくれない?』
思ったとおり、かずの方からデートの誘い!
しかも、出かけるって!!
インドア派なかずにしては珍しい誘いに、簡単にテンションが上がる。
買い物だって!
ドコ行こう?!
春物の服見たいし、買い物早く終わったらボーリングとか行ってもいいし・・・
いや、でも買い物早く終わらせて部屋でゴロゴロするのもアリっちゃアリ・・・。
そんな期待で胸が膨らんで、返信する内容を考えてた僅かな時間に続けてかずからメッセージが送られる。
『ホワイトデーのお返し、買いたいんだ。』
「・・・え?」
思わず声に出ちゃった。
だって。
だって。
お返しって事は、誰かからチョコレート貰ったって事だよね?
バレンタインのあの日。
俺の記憶が正しければ、かずは誰からのチョコレートも受け取っていない。
クラス全員の男子に配られた、思いっきり義理チョコのやつだけ。
お返しはクラスの男子全員で出し合って詰め合わせお菓子で済ますって話になってたはず。
それなのに、お返し?
俺の知らないトコで、誰かが渡したのかもしれない。
受け取った事自体も結構ショックなんだけど。
そのお返しを
俺に一緒に選んでくれって。
それって、ちょっと
あんまりじゃね?
だけど、もっとショックなのは
それを今まで黙ってた事。
聞いたら聞いたらで、確かにいい気持ちはしないけど。
それでも、こんな風にお返しを準備するのに付き合わされる方がもっといい気持ちはしない。
返事を返せないでいる俺に追い打ちを掛けるように
かずのメッセージが続く。
『買い物早く終わったら、うちで遊ぼ!』
・・・かずが、何考えてんのか
わかんない。
てか。
もしかして、こんな事気にしてんの俺だけなの?
さっきまでのテンションが一気にダダ下がる。
あんなに嬉しかったかずからのメッセージが、何かスゴく・・・
ムカついちゃって。
『行かない。』
たった一言、それだけを返事してた。
それっきり。
ビーズクッションにスマホを投げ捨てて。
枕に顔を埋めた。