妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
はぁ・・・
ため息みたいな吐息が聞こえて、我にかえる。
自分の手だけで放った白濁は、かずさんのシャツに染みを作っていた。
シートを起こし、俺のジャケットを羽織らせて車を降りて
足早に、隠れるみたいにしてエレベーターに乗り込んだ。
壁に凭れるかずさんを抱き寄せる。
その姿が気怠げで、それだけで色を纏っていて。
他の誰かの目に晒すことすら躊躇われたから。
だから、隠したくて抱き寄せて。
そっとその髪に口付けた。
本当はもっと触れたいけど。
きっと監視カメラがあるだろうから
出来なくて。
触れたいのに、触れられない。
だから、一秒でも早くこの扉が開くのを焦れるように待つしかなった。
重たい玄関ドアを開けて、その隙間からスルリと身体を滑り込ませたかずさんは、荷物を放るとすぐに浴室に向かって歩き出す。
それを阻むように、腕を引いて。
その場でシャツのボタンを上から順に外してやる。
「ちょ・・・ココで?風呂行きたい。」
少し拗ねた口調なのは、きっとテレてるから。
だから、その言葉は無視して、全てのボタンを外して足元にシャツを落とす。
「かずさん、どこで抱かれたい?」
「は?」
「一人で上手にデキたご褒美あげる。どこで抱いてほしい?」
「それ、ご褒美なの?普通にベッドがいいけど・・・その前に、風呂に入りたいんだけど。」
上半身は何も纏わず、放ってそう時間が経っていないせいか目を潤ませて
上目遣いに見上げるかずさんの姿に、どうしたって湧き上がってくるのは
もっと・・・って我儘な欲求。
「お風呂はダメ。そのままのかずさんを抱く。」
「何でよ?!」
すり抜けようと逃げるかずさんの腕を引いて、もう一度聞く。
「ねぇかずさん。どこで抱かれたいの?それとも、このままココで抱かれたい?」
ぐっと引き寄せた身体を一瞬固くしたかずさん。
観念したみたいに
ゆっくりとひとつ瞬きをして
潤んだ目で見上げて。
「ベッド。ちゃんと、ベッドで抱いてよ。」
やっと素直になったかずさん。
抱きしめて、抱き上げて。
寝室へのドアを開けた。