Milkyway。 | 潤いと和み。

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世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
末っ子溺愛中です♥

末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡




妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。









スマホで時間を確認して
そろそろいいかなぁって思いながら
メッセージを送る。


かずさんが今いる国との時差は1時間程度。

「こんなの、時差のうちに入んないよ。」

そう言ってくれるけど。
相変わらず忙しい毎日を送っている事は容易に想像できるし
今までの癖で、つい時間を確認して大丈夫かなって心配になってしまう。


『かずさーん。』

送ったメッセージ。
既読のマークが付いて、すぐに返信が来る。


『おう、どした?』


それを確認して、通話のボタンをタップした。


「はいはーい。どしたー?」


少しの着信音のあと、いつもどおり穏やかな声が聞こえる。
だけど。


「・・・用事がないと、掛けちゃダメなの?」


つい絡むみたいな言い方になる。


「ふふ。今日はご機嫌斜めですか?」


クスクスと笑うように聞かれて、それがまたちょっと俺の気持ちを逆撫でる。


「・・・もう、いい。用事は特にないし。じゃあね。」

「あぁもう、ごめんって!潤?」


悔しくて、そんな言葉を最後に通話を切ろうとしたからか、慌てたみたいに甘い声で俺の名前を呼ぶ。

その声が、記憶を引き出す。

甘い甘い記憶。
最後にその肌に触れた時間の記憶。


「ねぇ、かずさん。・・・そっち、晴れてる?」

「うん、たぶん晴れてる。なんで?」

「今日、七夕だよ。天の川見えるのかなぁって。」

「あぁ、もうそんな季節なんだ。ちょっと待って。」


電話越し、シャッっと布を擦るような音がした。
たぶんカーテンを開けたんだろう。


「おぉ!すげぇよ、こっち!めちゃくちゃ綺麗に星が出てるよ。」


かずさんの弾んだ声が嬉しそうで、一気にテンションが上がったのがわかる。


「そっかぁ。こっちは、昼間は晴れてたんだけど、今は曇ってるせいか何も見えないんだよね。」


昼間は暑いくらいの気温と日差しで、
今年は見えるかもって期待してたのに
夜になるにつれ雲が増えてきた空に
年に一度しか会えない天の恋人達の事を思い浮かべた。


だから、かずさんの声が聞きたくなった。

一年に一度しか会えない恋人たちを、自分たちに重ねてるわけじゃないんだけど。
それでも、会いたくても会えない天の恋人達の事を思うと、少し切なくなったから。


「ねぇ、潤。日本の別の地域では、旧暦で七夕を祝う所もあるじゃない。だからきっと、ほんのちょっとデートの約束が伸びただけだよ。」


かずさんのその言葉は、まるでオレの頭の中が見えてるんじゃないかって思える。


「そうだね。そうだといいな。」

「それに、本当に会いたかったら、今年はこっちの空でデートしたらいいんだよ。」

「はは。確かに。」


かずさんの言葉で、さっきまでの気持ちが少し軽くなる。


そう、どうしても会いたければ
会いに行けばいいんだ。
かずさんみたいに。

そして、オレみたいに。


「ねぇ、かずさん。今年の夏休みは、有給も足して長めに取れたから。
今度はオレが会いに行くから。」

もうちょっと秘密にしておくつもりだったけど、かずさんの言葉がオレの背中を押した。

今度はオレが、会いに行く。
会いたいから。
願いは自分で叶えるんだ。


「え?ちょ、待って。潤、もう休み取ったの?チケットも?!」

「なに?ダメなの?」


喜んでくれると思ってたのに、かずさんの声が戸惑ってるみたいに聞こえて
さっきまでと空気が変わる。


「いや・・・ダメじゃない、けど。」

「けど?なに?」

「俺、もう飛行機のチケット、取ってるよ?」

「え?マジで?!早くない?!」

「早い方がお得だもん。」


いや、そうかもだけど。
だからって、何の相談もないって・・・。


「オレが休み取れなかったら、どうしてたの?」


すれ違う可能性だってあるのに。


「まぁ、俺がそっちに帰ってれば、会えないって事はまずないだろうからって思って。
・・・潤が、仕事終わりにうちに帰ってくれば、・・・毎日でも・・・会えるかなって・・・。」


最後の方は小さな声で、恥ずかしそうにそう言った。

かずさんなりに、考えてくれてる事が嬉しい。
会いたいって思ってくれてる熱量が、俺と同じな事が嬉しい。


「ねぇ、かずさん。会いたい?」

「ん。もちろん。」

「オレも。会いたいよ。」


旧暦の七夕の日。
一年に一度の、ひと月遅れのデートを楽しむだろう天の恋人たち。
きっと同じ頃には、オレとかずさんも久しぶりの時間を過ごせるだろう。


「待ち遠しいね。」

「ん、そうだな。」


早く、愛しい人に会えますように。

電話越しのその人の声に、そんな思いを込めながら。

天の恋人たちへも同じ思いを馳せた。








おしまい♡