スタートライン。1 | 潤いと和み。

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世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。










お嫌いな方はスルーで。








『花火。』続編です。






side  J




いつもの自転車置き場で、自分のチャリに跨って

かずを、待ってた。


手の中のスマホには暇つぶしに開いたゲーム。

かず、まだかなぁって。
時々ペダルを回してみたり。
暇つぶしのつもりのゲームは、何の役にも立たないくらい

ソワソワして落ち着かない。



きっと今頃、かずは



告られてるんだ。




かずは、モテる。
年上からも同い年からも、モテる。
一年が入学してきたら、きっとそっちからも、モテちゃうんだ。

それをすぐ側で見ている俺としては
正直複雑な心境・・・。


俺を好きだと言ってくれるから
こうして待っていられるんだろうけど
ホントは誰にもかずを渡したくない。


・・・まぁ。
かずは、モノじゃないんだけど。



独占欲丸出しであまりにもカッコ悪すぎて言えないけど。






どれくらいか、そうしてると
手の中のスマホが鳴った。


『いまどこ??』


開いたメッセージはやっぱりかずから。


『自転車置き場で待ってる。』


俺の返事にポンってスタンプが返ってきたのを確認して、
ポケットにスマホを押し込んだ。





「お待たせ。ごめんね。」

「ん。帰ろっか。」


かずの手からカバンを受け取りカゴの中に放り込む。
2人で並んで歩き出した。


何て声を掛ければいいかわからなくて
何となく気まずい空気が流れる。
それをどうにかしたくて。


「かず、コンビニ行かない?アイス食おうぜ!」


遠回りだけど、いつものコンビニに誘った。


「いいよ、行こっか。」


かずの笑顔はいつもどおり。
俺の気持ちだけがいつもよりどんよりしてた。



かずの大好きなソフトクリームと、期間限定のパフェを買って
いつもどおり半分こして食べる。


いつもと同じなんだけど、何かかずの顔が浮かない気がする。


「かず、どしたん?」


きっと俺の予想どおり、告られたんだろうに。
いつもより伏せたその視線がすごく気になる。


「んー・・・何かちょっとね、考えちゃったんだよ。」


そう言いながら、掬ったバニラをぱくっと食べる。
だけどその視線はやっぱり俯き気味。


「・・・なんか言われたの?」

「そんなことはないんだけどね、何かね・・・。」


上手く言葉に出来ないって笑ってた。




その日のかずが気になって。
それが原因だとは思いたくないんだけど。
てか、それが原因だなんて絶対あっちゃダメな事なんだけど。



俺は、やってしまった。


その翌日に行われた学力テストで
とんでもない結果を出してしまった。




「じゅんくん、どうだった?」


帰り道、自転車を押しながらかずと並んで歩いてるのに。
頭の中は返ってきた答案の右上に赤い字で書かれた数字の事ばかりが頭の中を占めていた。


どうしよう・・・
こんなの初めてだ・・・


「ねぇ・・・じゅんくん?どうしたの?」

「え?!なに?」


かずが、ちょいって俺の袖を引っ張って見上げてくる。
あ、その顔、可愛い。


「だから!どうしたの?何かあった?」


心配そうな、そんな顔してる。
その顔を見ると、何て言えばいいのかわからなくなる。


「かず・・・テスト、どうだった?」

「んー、まぁそれなりだね。じゅんくんは?」


マジか・・・。
これは本当にヤバい・・・。


「俺、ヤバい。」

「ヤバいってなに?悪かったの?」

「悪いっていうか・・・一個、赤点あった。」

「え・・・なんで?」


なんでって・・・俺が知りたい。


「教科は?オレで教えられる?」

「いや、大丈夫だと思う。一個だけだし、自分で勉強する。」


俺が落とした教科はクラス担任の教科で。
自分のクラスだからって追試の合格点のラインを引き上げられた。

これ、ショッケンランヨウって言うんじゃねぇの?!


「大丈夫だから。心配しなくていいから。」


いつもバイバイする交差点に着いても俺の袖をきゅって握って離さないかずは、やっぱりまだ不安そうな顔をしてる。

その頭をぽんぽんって撫でて。
カラ元気みたいに笑って。


「とりあえず帰って間違えたトコ見直して勉強するよ。大丈夫。」


そう答えたけど。



不安なのは、俺も同じで
いつもみたいに上手く笑えてる自信はなかった。